毎日、近鉄電車に揺られて、西大寺から難波まで行くのですが、その途中に鶴橋という駅があります。
関西では言わずと知れた焼肉の聖地で、駅前には焼肉屋が所狭しと軒を連ねています。
会社からの帰り道。
夕飯時のゴールデンタイムともなれば、鶴橋の駅にいるだけで、さも美味しそうな焼肉の匂いがしてきます。
「あー、今日も仕事疲れたなー、あっ、鶴橋だ」
電車のドアが開いた途端、流入してきた空気に乗って、車内は焼肉の匂いに満たされます。
「んー、お腹が空いてる時のこれはもう、軽いイジメみたいなもんだよなー。白ご飯を片手に、思う存分焼肉をかきこみたい」
電車のドアが閉まります。
ふと我に返って、
「でも、肉より魚が好きだから、今は海鮮居酒屋みたいなとこに行きたいなぁ」