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【読書感想文】「となり町戦争」三崎亜記(ネタバレあり)

お久しぶりです、お久しぶりです、名無之です。
残暑が過ぎ去り、肌寒い日が増えた今日この頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
更新がだいぶ遅くなってしまいましたね。何週間ぶり? おそらく三週間は経ってるんじゃないでしょうか。なぜここまで遅くなったかと言うと、——この本が長かったわけではありません。むしろ短い方です。——ちょっとプライベートの方でいろいろありまして、読むタイミングを失っておりました。何が起きたかはTwitterの方を見てる方なら分かるでしょう。ここで書くことでもありません。
では、早速見ていきましょう!

あらすじ:ある日、突然にとなり町との戦争がはじまった。だが、銃声も聞こえず、目に見える流血もなく、人々は平穏な日常を送っていた。それでも、町の広報紙に発表される戦死者数は静かに増え続ける。そんな戦争に現実感を抱けずにいた「僕」に、町役場から一通の任命書が届いた…。

おすすめ度:中の中(ずっと「やるん思ったらやらないんか〜い」)

戦争が公共事業として自治体間で行われるようになった世界を描いています。新人賞と言うこともあり、アイデアはかなり荒削りですが斬新で、そこに加えて戦争の儚さを描いた文体が評価されたのでしょう。
客観的な感想を述べると、かなり細かくバックグラウンドを形成しているのが分かりました。おそらく言語化されていないだろうけれど、作者の中では出来上がっている、と言った感じでしょうか。それが余計、読者をその中心へ誘っているようで感心しました。
ただ、いくつか疑問がありました。一つ目は果たして戦争を事業として成立できるかどうかです。作中では当然のように戦争で人が死んでいきます。しかし、話を聞くにどうやらこれは2つの町の共同作業のようなものだとも書かれていました。であれば、大切な市民の命まで奪ってまでこれを「事業」とすべきなのでしょうか? 作中ではそこに疑問視する声もありましたが、結局はそう思わない大多数で押し切られていました。なぜか声を上げていた人は志願兵になっているし、そこらへんの心情変化は理解できませんでした。
あと「性欲処理担当」? これは明らかに作者の性癖だろうなと思いました。いやあ、どうなんだ? 作者の中の世界だからあってもいいんでしょうが、少なくともリアリティを追求する上ではあれはいらなかったと思います。
あれ? あれって香西さんが手書きで書いてたんだっけ? なら辻褄はあうかもしれないけど……見つけられませんでした。

あと、完全に個人的な見解で申し訳ないのですが、ここ最近僕に巻き起こった出来事のせいで、そこまでこの作品にプラスの感情を持って読む事ができないんですよね。本当に申し訳ないのですが。なので、この作品は中の中になりました。けど、もし健全に読んでも中の上だったと思います。

久しぶりに書いたので今日はここまでにしようと思います。
明日から通常通り読書できるよう頑張ります!
それじゃ、また!

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