どうも、人生を左右する試験が一週間前に迫っておきながら、いまだにこんなことを書いてしまっている名無之です。みなさん、如何お過ごしでしょうか。
ただいまMIU404を見ています。これ中々おもしろいですよ。現代社会の闇が如実に描かれています。これがコロナ社会になる前に企画されていたものだったらしく、かなり先見の明があるなと感じました。今まさにクライマックスですがまだ間に合うと思うので、ぜひ見てみてください!
そして、こちらも負けずと現代社会を描いております。早速見ていきましょう!
あらすじ:中学3年の尾垣真が拾った中世ヨーロッパの古城のデッサン。分身を描き込むと絵の世界に入り込めることを知った真は、同級生で美術部員の珠美に制作を依頼。絵の世界にいたのは、塔に閉じ込められたひとりの少女だった。彼女は誰か。何故この世界は描かれたのか。同じ探索者で大人のパクさんと謎を追う中、3人は10年前に現実の世界で起きた失踪事件が関係していることを知る。現実を生きるあなたに贈る、宮部みゆき渾身の冒険小説!
おすすめ度:中の上
ファンタジーの様相を呈していますが、どちらかと言うと現代青春物語と言ったほうがいいかもしれません。作中のほとんど現代社会で過ごし、ファンタジーな部分は三分の一くらいでしたので……。
でも、だからと言って読むのをやめようかなと思ったみなさん、ちょっと待ってください。宮部みゆきの真骨頂はその描写力にあります。この物語に出てくる心に欠陥を持った人々を彼女は本当に繊細なタッチで描き出しているのです。それを堪能するだけでもこの本には一読の価値はあると思います。
ただ、やはり宮部みゆきと言うべきでしょうか。常道を走る彼女のストーリーは今回もやはり常道な終え方をしていました。本当は絵の中の世界で様々な人と出会ってはちゃめちゃするのかな、と思っていたのですがそう言うところは一切なく、終わり方もとても静かに穏やかに迎えました。しかし、そこが宮部ファンタジーのいいところでもあるので否定するつもりはありません。
一つ、僕も権兵衛もふに落ちなかったのが、なぜ城田とパクさんは伊音ちゃんを救う方法を真に教えなかったのか、と言うところです。彼ら曰く、真の選択肢を奪うことになる、と書かれていましたが、伊音ちゃんを救うのであれば真は喜んで賛成しただろうし、今の世界線が変わってしまうところは葛藤があるにしろ、それでも最後まで方法を明かさなかったのはどうかと思いました。まあ、そこも僕らとは違う心に欠陥を持った人の考え方なのかもしれません。
最後に、最近仕入れた情報なのですが、宮部みゆきは大のスティーブン・キング好きだそうです。そこで、彼の文章と似ていないか確かめてみたのですが、所々、特にホラーの描写でキングの文体が垣間見えることができました。なんか、そう言ったことに気づけて楽しめたのもこの本に出会えた利点かもしれません。
次の作品も一週間後を目安に頑張ろうと思います。ただ、試験があるので少し遅れるかもしれませんがあしからず。
それじゃ、また!