かなりお久しぶりです。名無之です。どれくらい? 三週間ぶりくらいですね。土砂降りの毎日だった空模様も、今ではすっかり晴れ渡り、灼熱の太陽が照り付けて来ます。
さて、ここまで更新が遅れたことの原因を皆さんは薄々気づいてらっしゃるかと思います。そうです、読む本が長すぎたのです泣
そして、この本は読書感想文始まって以来の結果をもたらすことになります。
気になるところですが、早速見ていきましょう!
あらすじ:電力送電線の異常によりイタリアとスウェーデンで突然発生した大停電は、瞬く間に冬のヨーロッパ全域へと拡大した。交通網をはじめ全ての社会インフラは麻痺し、街では食品の奪い合いや暴動が多発。原子力発電所でも異常が発生。完全に機能不全に陥った世界で、イタリア人の元ハッカー、ピエーロ・マンツァーノは、この前代未聞の事態が人為的に引き起こされた可能性に気づく。
おすすめ度:中の下(ごめんなさい!)
ごめんなさい、本当にごめんなさい。頑張ったんです。頑張って読み進めようとしたんです。けど、もう無理! ページをめくる手が進みませんでした。ほぼ膠着状態が一週間続き、権兵衛から許可をもらって読了できずに終わりとなりました。(ちなみに権兵衛は読み終わりました)
ですので、おすすめ度の評価は権兵衛単独によるものです。彼の評価を書くまえに、何故僕が今回、断念してしまったかをお話ししましす。
上巻の方はすごくよかったんです。停電のリアリティをしっかりと描き出して、物語を紡いでいました。作者のデビュー作ということもあって、文章の稚拙さは見られましたけど、まあ僕らも言えたことではないので、全然読み切ることができました。
問題は下巻です。何故か主人公が犯人と疑われて追いかけ回される羽目に。しかも行く先々で窃盗にあって、もういいよそう言うのは、と飽き飽きしてしまいました。逃げては盗まれての繰り返しが下巻の半分以上を締めていたので、もうこれ以上は無理だと諦めました。作者・訳者・及この本を出版する際に関わった全ての人に申し訳ない気持ちでいっぱいです。
ここからは権兵衛から届いた感想を書いていこうと思います。一部過激な表現は変えていますのでご了承ください。では、どうぞ。
デビュー作でここまでの大作を書いたのは素直にすごいと思った。本職がコラムニストだけあってしっかり書き上げたと言う意欲が十分伝わって来た。一方で書く勢いでは場面場面でまちまちだった。言い換えるなら、流暢な描写がある一方で、ただ単調な会話だけで展開していく箇所が目立った。そのむらが読者の読むペースを崩していたと思う。
一方で、作者がかなりの現実主義者なのか、ヒーロー(特異的な先見性や技術を持った人物)を一切出さずに書いたことには少し共感を持てた。しかし、であるからにはもっとマクロな視点で物語を紡いで欲しかった。
社会の生活の一端を描くためにマンツァーノに罪を着せるようにしたんだろうが、その意図が見え見えだった。確かに安楽死などのテーマは興味深かったが、であるならマンツァーノ以外の誰かの視点で行えばよかったのではないだろうか。そうでなくともマンツァーノが元々ユーロポールに協力せず容疑をかけられると言う展開でもよかった気がする。ユーロポール側はボラールがいるのだから。ともかく、ラストの犯人との取っ組み合いといい、作者はマンツァーノに何でもかんでも背負わせすぎな気がする。
最後に、この本を読んでどうしても頭から離れなかったのが小松左京氏の存在だ。日本SFの巨匠として今もなお存在感のある彼がこの物語を書いたら文学的価値がどれほど跳ね上がるだろうか、と幾度頭をよぎったことだろう。しかし、残念ながら氏はこの作品が出版される数年前に死去なされている。もしかしたら、この本は氏が亡くなった後の現代パニック小説の先陣をきる一作になるかもしれない。
うわぁ、全方面に喧嘩売ってんな汗。本当はこれの2倍くらいあったんですけど、僕の独断で削らせてもらいました。僕の意見と被っていたところもあったのでね。
この本の解説にも書かれていましたが、テーマを詰め込みすぎている作品は物語の展開もグネグネになりがちだな、と感じることができました。そう言う意味ではこの小説と出会えたのはいい機会だったかもしれません。
だからってさぁ、だからってさぁ、座談会に載せないかね〜、もうちょっと座談会にも載せないかね〜。一体何が悪かったっていうのさ。荒削りでも光るものがあれば採用するのがおたくの売りなんでしょ。なんでなんだろ〜。
この嘆きの原因を詳しく知りたい人は数日前のツイートを確認してください。
というわけで、最後ですがTwitterを開設しました! とは言っても僕の小言を含めたアカウントなので、ずいぶん名無之権兵衛とは関係のないツイートが占めてますが、よろしければフォローしてください。
https://twitter.com/NanashinoProそれじゃ、今回はこれにて!
次回は一週間後になると思います。
もうすでに笑いが絶えません笑