どうもみなさん、こんにちは。名無之です。ここ最近で一気に暑くなりましたね。全国で真夏日が観測されて、まだ六月なのに夏本番と思ってしまいます。ちなみに旧暦では夏は4月から6月までなので、あながち間違ってはいないのですが。これだと冬である10月から12月が冬にならないと思います。ちょっと春、夏、夏、ちょっと秋、冬、みたいな季節巡りがここ数年ですね。
さて、前置きが長くなりましたが、見ていきましょう。今回は読書感想文初のノンフィクションです。そして、その出来栄えは過去最高のものでした。早速どうぞ!
あらすじ:第2次世界大戦、ドイツ軍によるポーランド侵攻。ナチスのユダヤ人迫害のもと、多くの命が失われ、廃墟になったワルシャワの街を独り彷徨する若き芸術家の苦闘の物語。ゲットー脱出、逃避行の日々、ドイツ軍の脅威が迫る…。ポーランドの名ピアニスト、シュピルマンが自らの体験を綴った希有のドキュメント。
おすすめ度:上の上(「本当」のアンネの日記)
あらすじに書かれているとおりナチスによるユダヤ人虐殺が描かれたものです。ユダヤ人虐殺に関する著書で有名なのがおすすめ度に書きましたアンネの日記だと思います。しかし、この作品は主にドイツ警察から逃げるアンネらの生活が事細かに描かれており、当時を知る良い資料になっています。もちろん、この作品も素晴らしいものです。生憎僕は読んでおらず(その事を伝えたら鼻で笑われました)、権兵衛の意見なのですが。
しかし、この「戦場のピアニスト」はドイツから逃れるのではなく、ドイツが実際にどのような事を行ってきたのかが生々しく記述されています。その理由としては本書でも触れられていますが、シュピルマンの驚異的な記憶力と、感情や叙情を一切排除した冷徹な描写によってなし得たものでしょう。
エスエス(ナチスの親衛隊)隊員の前で尋問されていた時、一人のユダヤ人少年が隊員に敬礼せずに通り過ぎようとしました。すると隊員は少年のところまで行き彼の頭を撃ち抜くと黙って私たちのところへ戻ってきました。
こんな描写が所狭しと書かれています。エスエス隊員の所業はフィクションなのではないかと思ってしまうかのような行動です。しかし、これが現実に起きた事であるのは間違いない事実なのです。
この本を読んでいるときに、僕は正直4、5回は死にました。普通の人であれば誰だってそうでしょう。いや、彼も普通の人だったんです。たまたま運が良かっただけで、少しでもツキがずれれば他の人たちと同じように死んでいたかもしれません。ですが、彼は生き残ったために、この本を通じて当時の悲惨さを僕らに教えられているのだと思います。
ホロコーストについては知ってはいましたが、まさかここまで残酷非道なものとは思いませんでした。いや、心のどこかでは覚悟していたかもしれません。しかし、実際に見てみるとなんとも痛ましいものでした。戦争というのは、大義というのは、ここまで人を狂わすんだと、これはフィクションではなく現実なんだと改めて思い知りました。
ここ最近、黒人差別によるデモが世界各地で行われています。日本は鈍感ですが、アメリカをはじめヨーロッパなどで拡大しています。それは、世界中の人々が人種に関係なく平等に生活すべきだと思っているからでしょう。
しかし、一方では人種差別を助長するような発言をする人もいます。政治批判はあまりしたくありませんが、ゴルゴ13で世界史を勉強した副総理はコロナの感染を抑えられなかったのは民度の違い、として一部の識者から批判されました。他にもババ抜きしてそうな大統領はデモの鎮圧に軍隊を派遣すると言って世界を仰天させました。そして発言こそしていませんが、テクノロジーにより徹底的に反乱分子を摘んで行っている国もあります。
彼らに是非とも一度この本を読んで欲しいと思いました。ですので、おすすめ度は最高の「上の上」にしました。
と言っても彼らは読まないんでしょうな。読んだとしても自国の問題と意識せず、だからなに、と平然とした態度で差別行動を続けるんでしょうね。
ま、別に悲しくはないんですけどね。滅ぶなら滅んじまえ、と思っているのが権兵衛の意見です。僕は彼のそういうところが嫌いだったりします笑
なんだか重い雰囲気になってしまいましたね。
次は明るい気持ちで書けるかな。
それじゃ、また。