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メルクオーテという魔導学生(本編にあまり関係ない小話)

メルクオーテは自称『優秀な魔導士』ですが実際、彼女の世界では相応に優秀な設定です。

彼女は努力家で手先が器用。
そして、手先が器用と言うことが彼女のなによりの優秀さの要因でもあります。

実は、本人は高い魔力を持っている訳ではありません。
その魔導に対しての理解力と器用さで実力を高めていったのです。

だからこそ彼女は自身を「優秀」だと称します。
彼女は優秀であるが故に天才たちと比べられる。
そんな学生生活を送っていました。

そして、天才たちと比べられることを嫌い、一人で過ごすことが多くなります。
それがタケと出会った時に一人で工房を切り盛りしている部分にも現れていますね。

ちなみに、メルクオーテがお金にこだわる理由は「一人で工房を切り盛りしている」という要因も大きいのですが、それ以上に「金銭」と言うのが自身にとって確かな評価につながるからと言うこともあります。

自身の仕事や実力を金銭によって正当に評価してもらえる。
それは彼女が魔導を極めていくのに必要なことでした。
そんな一種の承認欲求は、次第に一人で過ごす貧乏生活で違うベクトルへ変化していくのですが……。

タケに対してもややぼったくろうという根性が垣間見えますね。

しかし、根はやさしい子です。
彼女の根底には自身を正当に評価してもらいたいという欲求があります。

ですが、彼女の「正当な評価」と言うのは一種のメルクオーテの体裁を気にした末の欲求でもあります。

メルクオーテと言う魔導士は、本当は君が一番だよと言ってもらいたいのです。

そんな彼女にとってサクラとタケは自身を認めてくれる貴重な人間であり、一方で魔導については素人という自身を正当に評価できない側の人間でもあります。

この二人に褒められることは、彼女の心を満たしながらプライドを傷つけるのです。

彼女が二人からの賞賛を素直に受け入れられた時、それは彼女が他者からの評価というものを気にしなくなった、一種の成長がみられた時なのでしょう。

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