サクラは起動して最初にしたことは「触る」というものでした。
タケの顔と胸。
そしてメルクオーテの顔と胸……。
優秀な魔導士であるメルクオーテによってプラチナドールとされたサクラは生前の人間と変わらない感覚や知性を持っています。
特に、言語能力の維持にはメルクオーテは並々ならぬ自信がある要です。
魔導士によってはプラチナドールを作る際、言語能力に重きを置かない場合があります。
70話現在では、ヤシャルリアの『灰褐色の屍』が言語能力を持たないプラチナドールと言えるでしょう。
つまり、サクラ(ヒサカの体)はメルクオーテによって元よりも大幅にチューンナップされているのです。
そんなサクラですが、彼女は目覚めてからタケとは別に一人部屋を与えられています。
ですが、彼女はそこで過ごすことを拒否し、メルクオーテと一緒の部屋で過ごすことを希望しました。
はじめはタケと一緒にいることを望んだようですが、メルクオーテが許さなかったのでしょう。
しかし、サクラにとってはどっちでもよかったようです。
現在、サクラは様々なことに興味を示し、経験しようとしています。
その中でも「何かに触る」という行為はとても関心が高いようです。
後に彼女には抱き着き癖が出てくるのですが、本編には特に関係のないこと。
サクラはメルクオーテの工房にいる間、夜はメルメルのスレンダーな体を抱き枕にして眠り、抱かれるメルメルは、背中にサクラ(もといヒサカ)の胸を押し付けられて枕を涙に濡らしているという話です。