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『魔力回収機構 終末のアトリビュート』について

「全作品非公開にしておきながら何新作投稿してんだ!」と思われた方もいらっしゃるかと思いますので、こちらで言い訳を。

タグにある通り、この作品は第8回角川文庫キャラクター小説大賞の応募作です。
とても人様にお見せできるような出来ではないし、しばらくはカクヨムで活動するつもりもなかったので、当初はウェブ応募しようと考えていました。
けれども、文字数の関係でウェブ応募は不可能と判明。カクヨム経由の応募しか選択肢が残されておらず、今回の投稿に至ったというわけです。
当初は一話に16万字をぶちこもうと思っていたのですが、締切まで余裕がありそうだったので、あのような感じでエピソード分けしてみました。一話10000字越えてるエピソードとかありますが、お許しを……!

ついでに、私があの作品を書こうと思ったきっかけについてお話しようと思います。

大学に入ったばかりの頃、時間割を決めるために先輩が相談に乗ってくれるという時間が設けられていました。この先生は話が面白いよ!とか、テストが持ち込みだからこの講義は楽だよ!とか、いろいろと役立つ情報を教えてもらえるのです。
そこでひとりのすてきな先輩(女性)に、「美術がおもしろいよ」とすすめられたのでした。
「えー、美術ですか? でも私絵とか苦手だし」とアホ丸出しな反応をした私に、先輩は「そういうんじゃなくて、絵を見るための知識についての講義だよ」と教えてくれました。
その「美術」は一般教養の講義で、その年は時間が合わず、時間割に組み込むことは結局ありませんでした。
けれども4年になり、卒業に必要な単位を(卒論以外)取り終えていた私は、大学に行く口実として手ごろな一般教養科目を取ることにしました。
そこで先輩の言葉を思い出して選んだのが、「美術」の講義でした。

私は、絵というものは、技法とか色とか、そうした技術的な部分を鑑賞するものだと長らく思っていました。
けれども西洋美術には、「聖書」や「神話」の主題を描いたものが非常に多く、それを読み解くためには「主題の物語」と「アトリビュート」の知識が必要であるということを、この講義において初めて知りました。
講義の流れは、最初に主題やアトリビュートの説明をした後に、実際に同主題の作品を見ていく、というものでした。
それがとにかくおもしろくて、私は夢中になってしまいました。

「ちょっと知るだけでこんなにも絵を見ることが楽しくなるなんて、みんなにも知ってほしい!」

そんな思いが、私の中に生まれました。

けれどもその方法がわからなかった私は、個人で美術展に行ったり、美術関係の本を読んだりするだけの日々を続けていくことになります。

そんなある日、山田五郎さんのYouTubeチャンネルと出会いました。
画家の生涯やおもしろエピソードをまじえながら絵を紹介するその動画に、私はあっという間に夢中になりました。
そして、視聴者数やコメント欄から、絵に興味がある人、もっと絵のことを知りたいと考えている人がたくさんいることを知り、驚きました。

私はとてもこんなふうにはできないけれど、私なりに絵のおもしろさを伝えることはできないだろうか?

そう考えた結果、思いついたのが『魔力回収機構 終末のアトリビュート』でした。

「アトリビュートを魔法にしちゃえ☆」という中二的発想から始まったこの作品。
初めて書く終末ファンタジー、初めて書く大人向けのエンタメ作品、ということで、非常に苦労しました。
「角川文庫キャラクター小説大賞に応募する」という目標を設定していなければ、最後まで書くことはできなかったと思います。

おそらくこの作品が本になることはないと思いますが、ちらりとでも読んでくださった方が、主題やアトリビュート、実際の絵画作品について興味を持ったり、調べたりするきっかけになれたなら、これ以上にうれしいことはありません。

以下、作品に関する言い訳です。

・書き終わった時点で規定文字数を1万字以上超えており、予定していた内容を全て書くことができませんでした。
・そのため、投げっぱなしの謎がいくつか存在します(すみません……)。
・燃え尽きた結果十分な推敲ができなかったので、誤字脱字、矛盾が残っている可能性があります。気づいた方は、TwitterのDMにて教えてくださるとうれしいです。

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