《こむら川小説大賞》
https://kakuyomu.jp/user_events/16818093082011920376
こむら川小説大賞には二作品まで参加可能ということで、もう一本はガッチガチのホラーを書きました。
『高野咲良は亡くなりましたか?』
https://kakuyomu.jp/works/16818093082349205039
なんとこちらの作品、銀賞を賜りました!
やったー!!!
238作品もの応募作の中から選んでいただけたこと、本当に嬉しいです!
講評も、受賞作を選ぶ過程も、とても嬉しく、また次に活かそうと思いました。
こちらもこぼれ話を少し。
ネタバレになりますので本編をお楽しみいただいてからご覧下さい。
誰も悪いことをしていないのに、それぞれの登場人物がそれぞれの最善を選択しているはずなのに、最悪な方向に転がっていってしまうお話が書きたくてこうなりました。
最初はもっとバチバチに読み手を巻き込む話だったんですけど、匂わせ程度でいいかと方向転換しました。
その名残で、彼女の死の瞬間をスマホ越しに視たともいえる読者の中に光が入り込んで、タイトルとキャッチコピーに繋がる方にも解釈できる形になっています。
順当に行けば父に寄生するんですけどね、読者だからって寄生されないなんて誰も断定できませんしね。
恐怖や衝撃によって生まれた心の隙間に光が入り込み、そこから寄生しようとあれやこれや仕掛けてきます。
主人公は真面目に返事をしてしまったので最速で入り込まれましたが、もし電話に出なかったり返事をしなかったりしても逃げられません。
ありとあらゆる手段を用いて、自分の存在をターゲットに認めさせようとします。
返事をしなければいいということではなく、この怪異をこの怪異として認識してしまったら入り込まれます。
もーのすごいリアリストで、メンタルくそつよ、電話もメールも怪奇現象も何があってもなーんにも気にしない!みたいな人間がいたら、流石に入り込めませんが、たぶんそんな人間がいたらその人間の方がヤバいと思います。
怪異は暇なので、サイバー攻撃もかくやというレベルで仕掛けてきますので……。
作品内では単独ですが、この怪異、増えそうですね。
宿主の記憶も喰うので、次の宿主が決まるまでは元の宿主を大事にします(大事にするとは?)
瀬川さんは咲良ちゃんが翌日に配達に来ることを知っていたし、咲良ちゃんはお父さんが起こしに来ることが分かっていたので即日死亡しましたが、そうでなければしばらく泳がされます。
独居老人の死に様を見てしまって取り憑かれる話と思って書き始めて、神社を出したところで『寄生』と『帰省』を絡められることを思い付き、宮司さんに出演してもらいました。
(お気付きの通りプロットはありません)
宮司さんは有能です。
あの神社は宮司さんの力もあってかなり強力に護られていて、あの手のものは全て弾きます。
取り憑いている程度であれば宮司さんが取り憑いているモノだけを選別して弾き、スッキリ元気な人間だけ鳥居をくぐらせることもできますが、主人公の場合は表層にくっ付くレベルではなく寄生されてましたので、流石に無理でした。
可哀想に……。
ちなみに《きせい》を聞き間違えるエピソードがなければ、店長が次の犠牲者ですね、HAHAHA
主人公の母は歳を重ねても友達とキャッキャするタイプの人間で、人間関係は必要最低限でいいかなと思っている主人公とは基本的にソリが合いません。
母は主人公にも友達と同じテンションで接してきますが、主人公はそれを鬱陶しく思っています。
決定的な亀裂が入っている訳ではないんですが、かといってずっと同じ家に住むのは絶対に嫌、といった感じですね。
必要最低限の人間関係でいいと思いつつも、独りで死ぬのは嫌だと考えていて、それもあって独居老人見守りの仕事に就きました。
いずれ自分もそういうサービスのお世話になるのだと思って(サービスを受ける前に死にましたが)
この後は父が寄生され、母が寄生され、母の友人へ…と渡り歩いていくことでしょう。
X(旧Twitter)で、エビの抜け殻様(@oic_ebi )よりとんでもなく素敵なファンアートもいただきました。
やばい!可愛い!
こんな可愛い子を俺は……!ってなりました。
ごめんね、咲良ちゃん。
来世では怪異と出逢わずに幸せに天寿をまっとうしておくれ。
本当にありがとうございました!!!!!