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2023

2023年が終わりますね。

色々ありました。

自分自身は何にもなれないままでしたが、何もなかったというには濃い一年だったと思います。

ただそれは自分のこれまでと比較して、であって、他人から見た私の人生なんてものは実に退屈でつまらないものに感じるでしょう。

それは一つコンプレックスでもあるのですが、他人からの評価がどうであるかに思考を持って行かれるのは無意味極まると思うので、この際無視することにします。

前年比、プラス成長です。

自分の人生がどうであるかを決めるのは自分であると盲信して、今日も生きています。来年からも、きっとそう生きていきます。

こんなんだから変わらないままの自分なんですけどね……良くも悪くも。



さて、今年はやはり、学園ミステリ大賞ですかね。

ここで転んだのは痛かった!本当に痛かった!

自分にできる精一杯でした。満足はしていませんが、満足してもいいかもしれない、とは思っていました。だからこそ痛かった。

少し考えを整理したいのです。

なので、ちょっとこれまでを振り返りたいと思います。

たかが素人作家の戯れ言と思ってください。

全ては、これからの自分の為です。

どこかでまとめて、どこかに残しておきたいと思ったので、書いていきます。



これから作品について書いていきます。ネタバレもします。

もしこの近況ノートを読んでくださっているかたで、まだ「幼なじみは謎が解けない」読んでないよ、というかたは、是非作品を読んだ上で来てくださると嬉しいです。

……そこまでしてよむような近況ノートではないですけどねw



では、作品ができあがるまでの自分の思考を振り返りたいと思います。

記憶が曖昧になっているところもあるでしょうが、そのあたりはご容赦ください。

なにせ、確認を取る方法もないので。



まず作品の始まり。

最初から、水都恋という名前の女の子がメインにいて、謎を見つけ出す好奇心はあるけれど自分では謎が解けない、それを主人公の男の子が代わりに解く、という本筋はありました。

……いえ、少し違いますね。

たぶん最初は、ある種のバディものを目指していました。

一つ、私には書きたいタイトルの作品がありました。

ここでそれは明かしません。まだ書くかもしれないのでw

というか、もう書いているのです。公開するようなところまで行っていないので出せはしませんが。

それは十代の頃。地元で見掛けたとある看板に書いてあった文字でした。

そこに書かれていた本当に何気ない言葉の響きが、思春期真っ只中、ともすると中二病に罹患していた頃の私にとってはあまりにも魅力的で、いつかこの言葉をタイトルにして作品を書きたい!と思ったことが全ての始まりです。

例えますと、「前の席のヤマダと隣の席のタナカくん」みたいな感じです。例えですよ、あくまでも。

つまり、二つのなにか。
二人のなにか。
そういうイメージが浮かぶ言葉でした。

その頃の私が作った設定は、

一人の刑事と、一人のはぐれもの(探偵?)

で、事件を解決する。もしくは、少年漫画チックに悪い奴らとアクションを繰り広げる、まさにバディものでした。

互いが互いにないものを補い合いながら展開される物語への憧れが生まれた瞬間です。

しかし書けなかった。十代の私には表現の仕方が何一つ分からなかった。


数年の時を経ます。


二つの案がうまれました。

その1。一つの探偵事務所に訳あって二人の探偵が属していて、互いに協力(?)しながら探偵活動をしていく物語。

その2。幼なじみの二人が、日常の謎を解いていく物語。

二つの物語がほぼ同時期に動き始めました。

(後々、双子の姉妹、高校生探偵部の部員の二人、等も模索)

おそらくですが、それがもう五、六年前のことになると思います。

……おそらく、です 。

結果書き進められたのは後者でした。

というよりも、完結までこぎつけられたのが後者でした。

前者もまだあがいています。


水都恋は発案時から存在していました。

名前もそのまま。

主人公にあたるところの七瀬は、存在こそしているものの、名前は決まっていませんでした。

ただ面白いなと自分でも思うのは、名前も決まっていた水都恋はキャラクターがさだまらず、七瀬のスタンスだけは一切変わっていないということ。

水都恋は最初、とっても天真爛漫で、謎を見つけるやいなやズカズカと他人のテリトリーに入り込む女の子でした。

書き始めた物語は、幼なじみの二人が高校入学前に花見に出かけ、公園を散策していると、複数の男女グループの一人が財布を盗まれたと騒ぎだし、そこに恋が口を挟んでいくと言うもの。

ちっとも面白くありませんでしたw

面白くなりそう、とも思いませんでした。

一つ引っかかるところがあると先が書けないタイプです。だから止まりました。

水都恋は謎が解けない。なんで解けない?ヒントを見つけ出すことはできるのに?

その理由がないと書けなかった。

それと、謎が解けない恋と解けてしまう主人公を端的に表すプロローグが欲しかった。

そこで、サンタクロースとのお話を書きました。

お花見事件の話を書き始めた後から書いたものです。

それを書いて、また迷った。

何を書いても毎回同じところで迷いますね。

……視点です。

プロローグにあたる「~とクリスマス」では主人公の視点で一人称を用いて書きました。それを本編で採用するに至るのにかなり時間を要したことを憶えています。

しかし、プロローグを書いてまた立ち止まります。

なにせ書いていて面白くない。しかも恋が謎を解けない理由もまだ明確になっていない。

これは駄目だと諦め、しばらく執筆を止めて、先述した前者の方を書いたり、カクヨムでこれまで更新した作品を書いたりしていました。

さらに数年が経ちました。

書き始めたのは確か……幼なじみと怪文書です。

私がこの作品でやりたかったことの一つに、「九マイルは遠すぎる」があります。

理想的な安楽椅子探偵でした。推論ゲームの果てに思わぬ結論を導き出す。とにかく理想です。そこを目指そうというのが新たな出発点になり、この物語は再度車輪を回し始めました。

暗号文にもなっていないような「宛名」から差出人を当てる。

本来ヒントにはならないような紙の状態や文字の大きさや種類をヒントにするのは、まさに「九マイル~」が、その文言だけでなく、状況などをヒントに謎解きをしたことからきたものです。

学校が平凡なものだと面白くないから、読んでいて視覚的なイメージがつくように、校内が色彩に溢れていて少し派手だ、ということを書いていたので、それを活かした謎解きにしようと思いつき、ペンの色も謎に使いました。

この頃には主人公の名前も決まったかな、と思います。

この話を書くことを決めたのは良いものの、今度は、差出人の候補があまりにも少なすぎる、というところで行き詰まります。

話的に、彼らが入学直後でないと成立しないなと思っていたので、入学して間もないという設定は固持する必要があった。けれどそうすると、犯人候補をわざとらしく出す以外の方法が思いつかなかった。正直惰性で出てきた名前もちらほら。

途中から割り切って、これはフーダニットじゃない、推理ゲームなんだ。

ということで、ヒントを見つける水都恋と、恋の見つけたものから答えを導き出す綾里七瀬の思考の開示なんだということにして書き進めたような気がします。

ラストは、その辺りの迷いが如実に表れたかなと思います。

あと、これを一話目にするかどうかも悩んでました。犯人候補を何話かを費やして出しておいて、「そういえば入学したばかりの頃こんなことあったよね」と振り返る形で怪文書を解く、みたいな。

それはそれで楽しいとは思いますが、書き手にも読み手にも凄く複雑な構図にしちゃって、こんなの読みたくない……と思ったのでやめました。


次は「~モンブラン」ですが、先に書いていたのは「~初夏のかぜ」。元のタイトルは「五月の病」でしたね。

「~怪文書」を一話にするかどうかで悩みながら、こちらを一話目にする可能性も模索しながら書いていました。

何も考えずに書き始めて、本当に意味もなく、「教室に、連休明けのくんぷうが入ってきた」だけ書いたんです。

で、ああこれ連休明けの話なんだ……って自分でも思って、じゃあ連休明けらしい話にしようと思った気がします。

で、教室が舞台になるんだろうな……教室で不思議に思う事ってなんだろう。先生が遅れてくるとかかな。先生が遅れて来た理由なんてどうでもいいけど、一旦「なんで遅れたんだろう?」くらいは皆思うし、恋ならそれを解こうとしてもおかしくない。

じゃあ、そうしよう。ってなって。

結末を書いちゃいますが、車が関係してくるお話ですから、とにかくその辺りのことを取材しました。知人に話を聞いただけですが。

連休明けって車屋さんってどうなの?修理が立て込んだらどうするの?的なことを、その業界で働いている人にかなりしつこく聞きまくって話を作りました。……あまり大きい声では言えませんが、昔は連休明けの混雑は大変だったそうですが、最近はそうでもないそうです。
……え。

要は、これも九マイルなんです。先生が遅れたという事実と、変な誤魔化し、そのときの状況。ヒントはそう多くないけれど、そのヒントをちゃんと恋が見つけて、補足するように七瀬が謎を解く。九マイルへの憧れが全て根底にあります。

あと、憧れだけじゃなく。

九マイル、実を言うと、よく分かんないんですよねw

舞台が日本じゃないですから、当然。そこで地域性のある謎解きをされてもイマイチぴんとこないという私の頭の弱さに幾分へこみながら、じゃあ自分でも分かる形で描き出したいという欲があって固執している面もあります。

そしてこの話は、水都恋は優しすぎるが故に謎を解けないのではないか、という一つの答えを導き出すのに一役買ってくれました。

この話を書いて、「そっか、恋があのときサンタクロースの正体が分からないのって、無意識に出た彼女の優しさだったのかも」と思ったのです。

こじつけの可能性も捨て切れませんがw


次に書いたのが、「モンブラン」

これもなかなか厄介で、最初の数千字だけ書いて、随分と止まっていたものでした。

「初夏のかぜ」を書いて、入学してから最初の連休であるゴールデンウィークに何も書かないのってなんかしっくりこないな……と思って、学校以外の場所を舞台に書こうとしたはいいものの、二人が一緒に旅行に行くとかもなんか違うし、じゃあ友人の家……いやでも二人に共通の友人ってなんだろう、と思ったところで、

尾崎莉愛というキャラクターを活かしたい。と思いました。

「怪文書」で名前が出てきた彼女がこの物語の鍵を握る人物だということは決めていましたから、じゃあ今回も彼女の力を借りようと。

彼女の紹介で、もしかすると尾崎莉愛は二人の関係をいじくり回すための刺客として高尾を紹介したのかもな、なんて思いながらストーリーを作りました。

これも思考ゲームです。

自分が栗のモンブランが苦手なので、そこを入れた謎になりました。

イチゴのモンブランなら食べられそうだな、みたいな感じです。

ゴールデンウィーク中という季節感を活かしたかったというのもあります。

私はいつも何枚もの紙に思いついたことをバーーーーっとメモをして、それを見ながら書くのですが、メモの段階で概ねできあがっていた物語も、文章にするのにはかなり苦戦しました。

もっと面白くしたいという思いが物語を複雑にして、というか、複雑にしなきゃというある種の強迫観念みたいなものが脳をかっちんこっちんに固めてしまっていたんですね。

もっとラフに。もっと単純で、でもちゃんと、今回はちゃんとフーダニットを意識して書こう。と思うことにして、なんとか最後まで書き切りました。枠やジャンルって凄く便利です。散漫になる意識を留めて、迷いを断ち切ってくれます。この考え方は、「真夏のサンタクロース」に活かされたと思います。

加えて、この時点ではわりと物語の軸はできあがりつつあったので、全体のイメージを構築する上で、「水都恋は犯人捜しを好まない」「嘘を吐かれることを好まない」という二点を短編の中に入れました。

かなり物語の結末がおおまかにできあがった頃ですね。


次が、「階段話」。言うまでもありません。九マイルです。

今度は恋が聞いた言葉を七瀬に伝えて、その言葉のみで謎を解くお話にしました。

ただ、屋上へ続く踊り場、友人宅、教室での謎解きはしたので、謎解きをする場所を変えたいという思いはあって、当初は教室での会話劇だったのですが、学校中を歩いて謎解きを進めるという形にしました。

この謎自体はかなり前から考えていて、「モンブラン」とこちらはたぶん同時並行で練っていたと思います。

ただ迷走はしていました。

なにかしらの部活動で、部員の誰かに何かが起きて、そこには策謀とか、因縁とか、あまり良くない感情が絡むような雰囲気を醸し出したい、ということだけは決めて、色んなパターンを考えたと思います。

結果は、初期案に近かったかな……。

九マイルを意識していたので、解決の先にもう一つ、あまり良くない結末が来るように考えたとは思います。


最後。「真夏のサンタクロース」。

漫画部とかイラスト部とか、そういうところで物語を動かそうというのは決めていました。

盗みがあることもぼんやりと決めていましたかね。漫画原稿とか、データの入ったUSBとか、そういうのをイメージしていたのですが、結局ポスターになったのはなんでなのかは分かりません。もうその辺は思いつきなんですよね……なんでそうなったとか分からない。思考をすっとばしてピコンと出てきたもので物語は殆どできています。そんなものですよね。きっと。……ですよね?

だからもう、これは説明のしようがないです。これが一番書いていて分からなかったので。

あ、でも。

最初から「何かに活かせるかも」と思って、掲示板に貼られたポスターとかは作品の序盤から出してました。

活かしました。

伏線にするつもりで書いておいたものを、意図しない形で活かしました。

それは気持ちよかったかな……。

というところで。

そろそろ本当に年が明けそうなので、ここまでにしておきます。

大晦日にこういうの書いておこうとか思って慌てて書き始めるのは悪手ですね。まとめるための時間的余裕がなさすぎました。

本当に今めちゃくちゃ迷走していて、どうしていいかわからない自分の為の振り返りです。

いつかこの迷走が活かされることを信じて、2024は駆け抜けていきたいと思います。

頑張ろうね、自分。


ということで、一年間ありがとうございました。

よいお年を。


……これを読む頃にはぜったい2024なので、あけましておめでとうございます。

ですかね。


それでは。

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