• 詩・童話・その他
  • 恋愛

演じることを想像する。

『演劇青年シンジケートの野望』に崩紫サロメ様より
熱い熱いレビューとコメントを頂いて、舞い上がっています。

お名前を拝見したところ、「サロメ」様とはっ。
どう考えても、戯曲おすきですよねっ! うふ。
ありがとうございます。3回も読んで頂いたなんて、嬉し過ぎます。

折角なので、ちょこっとすきな演劇のことと、裏話を。

私は大学で演劇論を採っていた関係で、シェークスピアにはじまり、ギリシャ悲劇など戯曲を読みました。ああ、サロメも。
舞台を見てレポート書く課題があって、しまいには「欲望という名の列車」やら「ゴドーを待ちながら」とか、何だかさっぱりわからん!と思っていました。

すきになったのは、もっと後です。友人が第三舞台の鴻上さんのファンだったり、知り合いがSET(スーパーエキセントリックシアター)の劇団員だったりで、エンターテーメント的な世界に引き込まれました。
言葉がわからなくても伝わるのもすきでした。コメディ・フランセーズや42nd Streetとか。

一番すきだった舞台は NODA MAPの「キル」です。堤真一さん主演でした。野田秀樹さんの才能に舌を巻きました。独特なセリフ回し、身体まるごとで表す俳優陣、舞台がどこまでも奥行きが広がってモンゴルの草原が見えてくる。圧巻でした。

その後ハマッたのがこの短編の舞台「ベニサン・ピット」でした。その頃デビット・ルヴォーという演出家が来て、役者さんたちが熱い魂をぶつけたのです。堤さん、豊川悦司さん、麻美れいさん。目の前でその存在を余すことなく感じられる。演目もコクトーとか楽しみでした。



ラブコメの短編を書こうと考えた時に「懸命に頑張ってるんだけど、傍から見たらめっちゃ滑稽な男」というのが浮かんで、テーマを演劇にしてみたくなりました。だいすきだった世界へのオマージュとして。

しかしっ。笑
アップした途端、めちゃくちゃ言われちゃったんですよ。元演劇人に。爆
「あんた演劇のこと、何にもわかってないじゃん!」って。
そりゃ確かに私は演じる側に立ったことはありません。戯曲を読むのと、舞台人とではね、雲泥の差でしょう。自分なりの演劇世界を想像して書いただけですものね。

どこにガンガンクレームが来たかというと、まさに「死体になりきること」にでした。シロートは死にゆく者の想いとか、つい引きずって考えるじゃないですか。
まさにあのセリフです。
>死体は生きてた時の思いを観客に見せてはいけないのよ。死人の気持ちになってみるなんて、言語道断よ。
死体はモノなのだそうです。
ふぅーん、でもそれって一つの解釈じゃないの?
となんか釈然とせず、しかもその道に長けてなければ書けないのなら、私には書くものなんかない気がして、途方に暮れて作品は引っ込めたわけです。

でもね、折角書いたのに悔しいわけですよ。
それで苦肉の策で登場させたのが、アリゲでした。笑
主人公アオキ・シンジは新人、その恋人はドシロート。誰でも最初は初心者なんだから、そこ思いっ切り突っ走ってみようと。
サロメ様が気に入って下さったのは、そういう生きた台詞があったからかもしれません。

時々この作品を気に入って下さる稀有な方が現れると
何だかぎゅっと抱きしめたくなります。

六月より愛をこめて

4件のコメント

  • 抱きしめていいんじゃないですか?

    六月さんのプンスカ顔と、ニヤケ顔の両方が目に浮かびましたw

    っと、いつものテキトーキャラがつい顔を出してしまいました
    m(__)m

     創作していると、経験者からの声が届くことありますよね。
     具体的に、どこがどういう風におかしいのか指摘してくれるお知り合い? ご友人? それとも読者さんかな? いずれにしても具体的な批判ならウェルカムですよね(まぁ、有り難いけれど、ちっと悔しいと思うこともありますよね)

     創作前に自分なりに調べ、その上で想像力働かせて書いていても、経験者からの目はけっこう厳しいものがあり、私もしばしば指摘されます。
     ですが、私はまったく気にしません。
    もうちっと気にしろと、家族や友人からよく言われます。

     六月さんは「悔しい」と思うだけ私よりよほど良きお人です。

     演劇のことはさっぱりですが、『演劇青年シンジケートの野望』は楽しく読みましたし、ラブコメエンタメとして成立しているなら外野の声は気にしなくていいと私は思います。

     これが文芸作品としてシリアスな作品なら、話は別なのかもしれませんが、その辺の判断は私にはできません。

     これからも六月さんの、六月さんによる、六月節の効いた作品を心よりお待ち申し上げております
  • こんばんは!テンションの高いレビューを書いた崩紫です(笑)

    いや、もう、私なんて演劇ド素人で、ド素人故に何も考えずに劇場通いしていたそれだけの者で、演劇論とかは全然学んでいません。

    そういう者として、この作品は本当に刺激的だったんです。

    「そんなこと考えたことなかった(*゜Д゜)」

    という感じで。
    そんな葛藤があったとは、お聞きできて本当に良かったです。

    私は、舞台を見るときは入り込んでしまい、俳優さんのおっかけとかしている割に、その人が俳優であることも忘れて見ており、本当に死んでしまったような感じで、「死体」を見るのも辛くて、「死体」をどのように演じているか、考える余裕もなかった……という感じでした。

    なので、この二人の議論、どっちが正しいかとかじゃなくて、どっちも新鮮でそれ自体、面白かったんですよ。他の演劇ファンの友達にも読んで欲しいなあ、と思いました。ド素人発言で恐縮です。

    サロメは、普通に神父さんにつけて頂いた洗礼名で、イエスの女弟子聖サロメに由来するのですが、「多分オスカー・ワイルドっぽいイメージあるだろうな」と思いながら敢えてペンネームで使っています。オスカー・ワイルド好きですし(笑)

    好きな舞台というのがハンガリーミュージカルやオペレッタなのですが、最近ハンガリーから遠ざかってしまい、ちょっと寂しいです。何でハンガリーにいるときにもっと死体に注目しておかなかったのだろうと、後悔しています(笑)

    あ、鍵アカなのですが、恐る恐るTwitterとカクヨムを連携させてみます。フォロー申請させていただきます。
  • > けむんぱす。

    君も抱きしめちゃうことになるんだよ? 笑

    うちの夫と一緒にドラマとか見るとやなのは、カメラマンが出てくると
    構え方がどーこーとか煩いからなんです。
    そりゃあね、本職から見ればね。言いたいことわかりますよ。
    私もフラメンコシーンとかあると、うわぁって頭抱えることあります。

    でもそればかり気にしちゃうと、もう何の世界も書けなくなっちゃう。
    だから言うほど気にしてる訳じゃないんです。
    指摘してくれる言葉に愛があれば大丈夫みたいです。
    シンジケートは結果的に、すごく息を吹き込んでもらいました。

    世界のどこまで掘り下げるべきなのかは、作品によっても違うかなと思います。できるだけ調べたりはしますが、後は感覚かなー。(反省してないな、私。) てへ。
  • > 崩紫サロメさま。

    わぁ、ほんとにありがとうございます。
    調子に乗ってついつらつらと語ってしまいました。

    気分が悪くなって、死体役の人に話しかけられたとこまでは実話なのですが(笑)あとはフィクションです。
    「ガラスの仮面」とか読んで、演じるってナリキルってこと? とか色々想像してみるのは楽しいですね。
    ほんと、今度死体があったら、じっくり観察しちゃいそうです。
    (TVとかでも、ぴくりとか動かないかなーとかガン見しています。)

    おー。洗礼名なのですか。それは失礼いたしました。
    オスカー・ワイルド、いいですよね。『サロメ』は衝撃的な作品でした。振り向いてくれない男の首を欲しがることの猟奇的な愛。うぉぅ。

    ハンガリーにいらしたことがあるのですね。それは貴重です。脳内でサロメさんが可愛らしい民族衣装を来た少女に勝手に変換されました。すてきなとこなんだろうなぁ。

    Twitterでも繋がってくださって、ありがとうございます。どうぞよろしくお願い致します。
コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する