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「メユカはクジラに口づけする」完結しました。

『場所問題』

 結婚して家をかまえた夫婦ならともかく、婚姻前の男女には、場所がない。

 現代だって、恋人が家に遊びに来ても、親が在宅なら、いたす事はできぬ。
 奈良時代の家屋なんて、部屋の間仕切りは、平民は、ない。

 そして、さ寝は、「月が昇ってから」であり、「朝日が昇る前に」男は人に目撃されないように帰るもの、とされていた。
(昼間は家族ぐるみで、畑仕事など、あくせく働くのです!)

 どうするか?

 男は夜、女のもとに忍んでいって、女を家の外に呼び出し、お外、人に見られないところでいたすのです。
 それしか方法がない。
 女が乗り気なら、そわそわ、戸の前で待っててくれたんじゃないかな。

 そんな女を言い表した素敵な言葉に、夜戸出《よとで》の姿、という言葉があります。

 で、当然、親にバレバレ。
 母親が「NO」と言って、男を叱って追い返す事もあったそうな。
 母親が強い時代です。

 さて、クジラ。
 メユカが自分を受け入れる為に待っててくれる……。
 その事を想像しながら、心浮き立つ心地で、月に照らされた郷の道を、メユカの家に歩いていく。
 これって、男にとって、とてもワクワクする道行きだったんじゃないでしょうか?






「メユカはクジラに口づけする」
終話  「クジラ」
https://kakuyomu.jp/works/16818093079020393315/episodes/16818093079171012676

4件のコメント

  • 互いに想い合いながら待つ時間。
    長くも短くて、特別な時間ですね〜。
    素敵な挿絵です!
  • 幸まる様

    互いに想いあいながら、待つ時間です。
    きゃっヾ(。>﹏<。)ノ゙✧*。
    長くても、短くても、特別な時間。
    その通りです。
    素敵な挿絵、と言ってくださり、ありがとうございます。(≧∇≦)
  • 千花ちゃん、こんにちは😊

    メユカさんが待っていてくれる、その想いを胸に、メユカさんの家に向かうクジラさん。
    そりゃあ、もう、心躍る気分でしょうね。
    一方、メユカさんだってドキドキソワソワ、嬉しい時間ですね。
    ときめきの挿絵、とっても素敵です。
  • この美のこ様

    こんにちは。

    ええ、愛しい女が待っていてくれる。
    クジラ、足取り軽く、心踊る、道行きです。
    メユカも、ドキドキ、ソワソワ、落ち付かず、嬉しい時間です。

    ときめきの挿絵。まさにまさに。
    とっても素敵、とのお言葉、ありがとうございます。
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