頭を空っぽにしていても読める話があれば、読み進めながら「しんどい……しんどいよぅ」とおもりを飲み込んだような気持ちで読む話もある訳で。
実際に自分は経験していないことを、小説を読むことで疑似的に体験することが出来るという意味では娯楽なのかもしれないですが、「自分にもこんな経験があったから思い出してしんどい」など、楽しいばかりではない話もありますよね。
ミステリーも犯人と探偵役がいて、探偵役が事件を解決してくれるという保証があるからどれだけ人が亡くなろうと最後にはスッキリ終われる訳ですが、現実世界において、日常起きるごくごく個人的なことに探偵など存在しないし、自分の中にあるもやもやに対して第三者がQ.E.D.してくれたりはしない。
むしろ「あなたのこれはこれこれこうでこうだからこうした方がいいよ」と言ってくるような人間なんて胡散臭すぎて全く信用が出来ない……。お前に私の何がわかると言いたくなったりして。
なので、結局はその時点でベスト、あるいはベターだと思う自分なりの解を見付けてなんとかするしかないのですが、本当にどうしようもなくて吐き出したいけど吐き出せないこともあるよねと思うのです。
『午後6時のプディング』はそういうものを書きたかったのかなと、当時の自分の考えを推察しながら適宜修正しているのですが、第5話をこのあと9時に公開致します。
以前近況ノートでも触れましたが、第5話はヒトによっては非常にデリケートな部分に触れるかもしれません。先に言いますと不妊治療に関するエピソードになります。治療に関しては色々な考え方があると思いますので、読みたくない方は手をお付けにならないでください。
と、お伝えさせていただいたところで、気付けばもう少しで9時。
気が向いた方、『私』と『安永さん』の行方が気になる方、読んでやろうかなと思ってくださった方等、お時間ございます際にでもポチっと開いていただけましたら幸いです。
よろしくお願い致します。