川越宗一の「パシヨン」を読みました!
めっちゃおもろかったです!
さすが直木賞作家。
ちょっと引っかかる部分があるとすれば、主人公のセリフや行動が、なんだかやたらワンピースのルフィっぽいなと思ってしまいました。
退屈にならないようにわざとそうしているのかも知れません。
小説を書く立場としては、伏線の張り方が参考になりました。
物語のキーワードになっているであろう、深刻な場面での「ある台詞」があるのですが、最初に戻ると序章の数ページ目に既に、その台詞がほのぼのとした形で出てきていたのです。
パソコンで書く分には後で付け足せるので大した手間ではなさそうですが、こうやって全体に繋がりをたくさん持たせて一体感を出すのか〜と参考になりました。
そういえば「パシヨン」の他にも「具体と抽象」という本も読んだのですが、今この文章を書いていてその知識を応用しています。
例えば、「具体と抽象」を読む前の私であれば、「キーワードになるあるセリフ」という書き方はせず、ネタバレ覚悟でそのセリフを書いてしまっていたと思います。
「具体と抽象」では、「幼い子は『今日ね、みーちゃんと、三丁目のファミマでパピコを食べたの!』と全部具体的に話しますが、小学生にもなると『友達と近所のコンビニでおやつを買った』と、物事を具体的な固有名詞ではなくより上位の抽象度の高い言葉を使って余計な説明のいらない分かりやすい会話をします」というような説明がなされていました。
私は小学生どころか既に小学生の子供を持つ親ですが、どちらかというと「みーちゃんとファミマでパピコ」的な喋り方をしてしまう、残念な大人である事が発覚しました……。
結構ショック。なんで今まで誰も教えてくれなかったんだ!(笑)
具体的に描写するのは小説においては字数を稼げるので良いのですが、「具体と抽象」を小説でも使い分ければメリハリのある作品になるかも。
というか、小説を抜きにして説明上手な人間に今からでもなれるかも。
そんなふうに思いました。