伊崎夢玖

めがねを外す幼馴染。 その主張は『メイクが崩れるから』という女の子ならではの理由だった。 でも、めがねを外すことは話が別。 なんとかめがねをかけさせようと試みる。

幼稚園の頃、いつも黒を選んでいた。 それは「余っているから」という、つまらない理由。 特別好きでも嫌いでもなかった。 しかし、黒を好きになったのは、幼馴染のひと言がきっかけだった…

大人がおいしそうに飲んでいるビール。 そんなにおいしいものなのかと、子供ながらにいつか大人になったら飲んでみたいと思っていた。 二十歳の誕生日。 大人への一歩を踏み出した日、大人…

こっくりさん。 それはかつて子供の間で大流行した遊びであり、人間と神の絶対遵守のルールに基づく神聖なゲームだった。

常日頃、部署の上司からパワハラを受けていた。 耐えかねたある日、黒魔術に手を出す。 素人がいきなり成功するわけではないが、精一杯やったおかげで今までの憂さ晴らしはできた。 果たし…

誰かの強い思いが通じた時に現れる扉。 その先にあるのは、様々な箱を取り扱う店だった。 しかし、その店の箱はどれもこれも使えば不幸になる結末しかない。 それでも、強い思いは箱を求め…

事故物件を借りる人は稀である。 それ相応の深いわけがある人だったり、ただの好奇心だったり……理由は様々。 しかし、内見もせずに決める人はまずいないだろう。

ヒーロー。 それは、子供の頃の憧れの職業。 しかし、憧れは所詮憧れである。 現実はあまりにも世知辛いものだった。

人生初めての彼女。 幸せの絶頂からどんどん落ちていくのを感じた僕はある日彼女の浮気現場を目撃してしまう。 突撃したら、彼女の口からは言い訳の嵐で…。

時間潰しにたまたまスロットをしたら『777』を出してしまった。 まさかのラッキー。 その後も『7』がついて回って、これぞまさしくラッキー７！ と思ったのも束の間、途端に悪いことが…

後ろで花梨とその友人の声が聞こえるが、何を話しているかは距離があって聞き取れない。 だが、清々しい気持ちだ。 一年前、花梨のことが本当に好きだった。 今になって冷静になってみれば…

今年も一人ぼっちの誕生日会をするはずだった。 気まぐれに深夜の散歩をするまでは…。

一緒になりたい――それだけの理由で少女を殺した少年A。 彼に面会した時の様子のレポートである。 一人の人間をただ純粋に愛してしまったがゆえに、歪んでしまった一人の人間の愛の形。

最初は見ているだけでよかった。 なのに気付けば、好きな人が持っている物は欲しくなっていたし、今何をしているのか気になっている自分がいた。 好きだからこそ盲目的に思ってしまって暴走…

時間を持て余していた僕。 クラスメイトと遊ぶために待ち合わせ場所に行くが、『遅れる』と連絡を受ける。 普段行かないような道に足を踏み入れたことで、結ばれなかった縁が結ばれるきっか…

幼馴染から離れたくて学校近くで一人暮らしを始めた俺。 なのに、土砂降りの雨に打たれ、ずぶ濡れで一人暮らしの家に現れた幼馴染。 風呂を沸かしに離れた一瞬をついて、隠してた日記を読ま…

事故で死んだ。 僕の死で一番悲しんだのは愛する彼女だった。 いつまでも泣き続ける彼女に気持ちを伝えるために、真夜中に彼女の部屋に向かった。

日に日に悪化する頭痛。 それは肩凝りからくるものだった。 原因は分かっているのに、改善することができない。 そこに現れたのは、我が愛しの愛猫タマ。 タマの肉球にかかれば、どんな苦…

学校の授業で書かされた作文。 テーマは「僕、私だけのヒーロー」 そんなの思いつく人物は、ただ一人しかいなかった。

彼女に盛大にフラれた。 悪いのは自分。 久しぶりに飲みたい気分になったので、行きつけのバーに訪れる。 そこにいたのは迷い猫の黒猫。 かわいがっていたのに、猫にまで裏切られてしま…

焼き鳥の作り方。 それはまず鳥を捌くことから始まる。 魔族でも鳥は鳥。 それなりにおいしいらしい…？

とある集落の変死事件。 享年八十八で死んでいく長男たち。 それはただの奇妙な変死事件だと思っていたが、真実は違っていて…。

寝坊した。 まぁ、人間誰しもあることだ。 だって、人間なのだから。 しかし、世界全体から除け者にされたことはないはずだ。 ある条件を除けば…。

とにかく早く家に着きたかった。 そのために公園を横切って近道しようとしたが、なんとなく嫌な気配がして近道を諦めた。 第六感を信じたがゆえの今がある奇跡。 信じなかった時、私がいた…

我は猫。 ただその日を過ごしているだけなのに、人間はいろいろ与えてくる。 人間よ。我に供物を差し出せ。 さすれば、たまには愛嬌を振りまいてやろう。

彼女に内緒でスキー旅行に行った彼氏。 しかし、事故で利き手である右手を骨折してしまった。 連絡をもらって病院に現れた彼女に怒られると思ったら、持参したリンゴを剥いてくれた。 やっ…

2年前、高校受験をした甥っ子が今年高校三年になる。 誰もが無関心な受験の時期がやってくる。

週末にソロキャンプをするのが趣味の俺。 今日もいつものようにキャンプしていると知らない女から声を掛けられた。 それが運命の出会いの始まりだったとは、この時の俺はまだ知らない。

本来のお仕事よりも推し事の方がお仕事な毎日。 推しが元気でいてくれることが何よりも喜びであり、嬉しいこと。 今日も生きていてくれて、ありがとう。

21回目の誕生日。 俺は愛するひとと一緒に過ごすはずだった。 家に帰るともぬけの殻で、どこを探してもいない。 失意の中家に帰ると、愛するひとが戻ってきてくれていて…。

知らない土地にたった1人優しくしてくれる人。 その人は実は自分とかかわりがある人だったことに気付く。 ただ1人味方がいることが心強いとは…。

ちょっとした勘違いがきっかけでいじめらることになった。 それはエスカレートしていき、最終的に停学処分を受ける羽目に…。 翌日、いきなりチャンスが巡ってきた。 このチャンスを生かす…

桜の季節。 淡いピンクに色づいてヒラヒラと舞い散る姿はとてもかわいらしい。 しかし、その淡いピンクには秘密があったのです。 ※ フィクションです。事実、現実とは異なります。あら…

予知でも予言でもない、なんとなく感じるもの。 それが直観。 恋に落ちる瞬間も直観が作用したり、しなかったり…？

幼稚園児の頃、かけっこが嫌いだった。 理由は単純明快。 『いつも二位だから』 しかし、ある日の運動会でそれは覆った。 一位を取ることが気持ちいいと子供ながらに知った瞬間だった。

いつも二人でいた。 だから何でも知っていると思っていた。 それは勘違い。 相手の気持ちは言葉や行動に出さないと分からない。

腐れ縁の女に告白をして見事玉砕した。 ショックを受けていると、生徒会長をしているクールビューティーとかわいいが代名詞みたいなふんわり女子から告白をされた。 どちらも捨てがたいがど…

ひたすら走る。 走り続けろと命令されたわけではない。 栄光を手にするためには走ることが必須だった。 ただそれだけだった。

ある日突然後輩の鷹藤結愛から告白された。 キング・オブ・地味の称号がぴったりな俺にどうして彼女が告白してきたのか理由が分からなかった。 しかし、俺には山岸亜理紗という彼女がいる。…

今日は皇太子の結婚式当日。 街の地下にあるダウンタウンにタケルとミコトがいた。 二人は生きるために必死だった。

二月二十九日はじぃちゃんの誕生日。 じぃちゃんが百歳になった。 お祝いムードの翌日、じぃちゃんとばぁちゃんの本物の愛を知った。

SNSで話題になっている宇野橋。 そこは自分達が住んでいる所から近い場所だった。 季節は夏。 肝試しに行ってみることになったが、それが本当の恐怖の始まりだった。 〇登場人物 …

北風と太陽はいつものように口喧嘩をしていました。 どちらの力が強いかを比べるために、一人の男に目を付けました。 『あの男のコートを取った方が勝ち』 その勝負の行方はいかに…！ …

村瀬敦、もうすぐ三十路。 親からの結婚催促の連絡が煩わしくなってきた時に見つけた契約彼女。 楽しかった契約時間ももうすぐ終わり。 そんな間際に人生初の告白をされた。 答えはもう決…

姉は欲しい物は何でも手に入れてきた。 その姉が今度欲しがった物は万華鏡。 しかし、それを手に入れた途端、姉は死んだ。 なぜ死んだのか。 それは蔵の中にヒントが眠っていた。

恨み晴らし屋。 そこにいる店主のカタリと手伝いのバーグさん。 彼女と出会った少年。 彼は何を望み、何を願うのか。

甥っ子が受験。 あんな小さかったあの子がもう受験。 そんな彼を私だけは信じてた。

三回目の結婚記念日。 だけど大和は忘れているようだった。 仕事が忙しかったし、仕方ないかと諦めていたらまさかのサプライズ。

調子に乗ってクエストを受けた結果がコレだ。 不甲斐ない最期になるはずが、起きてみれば最高の結果になるはずだった。

佐々木藤花は死の淵にいた祖父から突然許嫁がいると告げられる。 周りが敵だらけになっても、ずっと味方でいてくれた祖父。 そんな祖父の願いくらい最後に叶えたかった。