三津凛

まだ私は詩子の本当の闘いを知らない。それでも詩子は一番傷付いたときに、私を呼んだ。 それが妙に嬉しかった。 なにかあるたびに、時間も季節も忘れてしまいそうになる。 それでもこうし…

せめてあなたにおっぱいが付いてて、脚の間に何にもなかったら、考えられるんだけど。

※forget me not blue:勿忘草の青 イルカさんの「なごり雪」の歌詞から着想しました。 地元に残ったままの私と、アメリカの大学へ行く千春との別れのとき。 この先…

刺し殺してやろうか。 何かが胸の内側から、囁いて疼く。好き勝手に引っ掻き回された子宮が今も泣いている。 ※二重人格×百合

木洩れ日だけを、あの人は置いていなくなりました。

地球からの贈り物が、私に話をさせたがる。

憎悪が銃弾を飛ばせる。引き金に指をかけることを、躊躇わせない。頭を割ってやれ、腹を裂いてやれ、骨を砕け！

「他の部分はいらなかったから、邪魔だったから、捨てました」 実際にあった事件を下敷きに脚色。 百合×少しグロテスク。

たとえギロチンにかける真似をこの社会がしても、全てに拒絶をされても、畏れず首を差し出してやろうと誓った。 そして、誇り高く生き抜くことができたのなら、そのために喪われた兼継と自分…

栞に星の見える場所が書いてあった。 なんて回りくどいことをするのだろう。 そしてそんな事を今の時代に平気でやる希和子のことを、愛おしいと感じた。

素子と琴音は土曜日になると分かりやすく見た目が華やぐ。来たる日曜日に備えて、綺麗な若い二人は自分を磨くのだ。

わたしは揺れる橙色の元で眠る赤ん坊と、痩せた若い母親を眺めた。聖家族のように、哀しくその様は映えた。 ナチスドイツ下の強制収容所であったことを参考に執筆。

顔をあげてみるとみんなの目が、ガラス玉になっていた。誰もが色を失って何も分からなくなってしまった。

指を折るたび、祈りは虚しくなる。 この繰り返しで、誰かが救われたかは分からない。

「あなたが来るのをずっとずっと、待ってたの。夢をいつも見るのよ。綺麗な姉さんが、出てくるの。髪が短くて、男の子みたいなの。でもそれがかえって猥褻なのよ、ふふ」

音に色がついている。目が毎日、潰れる思いがする。 世界は残酷な極彩色だった。虹色だった。だから痛くて、どこまでも辛い。 いっそのこと、私の存在ごとモノトーンに沈んでしまいたい。

子宮が産まれる前の揺籠ならば、家庭は産まれ落ちた後の揺籠であって欲しかった。

子宮が産まれる前の揺籠なら、家庭は産まれ堕ちた後の揺籠であるべきだ。

私は私の醜さを知るために、上を向かない、ただ下を向き続ける。

偉くなりたいなら、万年筆を持つべきだ。

優しくされるよりも、ひと思いに屠られたい。