私たちが生きている世界は神の視点から見ればひとつですが、実際には違います
作品内でも、真弓と"私"の世界は部分的に重なり合っているだけで、"私"や私が想像出来る範囲には真弓はいない、ということが描かれています
この「想像出来る」というのは、言い換えれば「共感できる」ということです。"私"は真弓の危うさや家庭環境に勘づいていながらも、共感できなかったことに後悔しています
真弓のことを理解できたはずなのに、「共感」していればもしかしたら救えたかもしれないのに。"私"はあの日の会話を後悔し、共感のない傍観者でいた自分を責め続けます。もう遅い、この一言が真弓を忘れない、あるいは「愚かな自分を忘れない」という強い意志を示しています
長々と書きましたが
この共感こそ、ヒトを人、つまり人間たらしめる大切な要素なのではないか
この問が作者さんのメッセージなのだろうと勝手に想像しています
このレビューを読んでいる皆さん
あなたは"人"ですか?