連載中の拙作『まぼろしの人』が佳境に差し掛かってきました。
本作はリアルタイムで執筆しているものではなく、2年半前から今年7月ごろにかけて仕事の合間にちまちまと書き続けていたものです。
長く書けば書くほど作品に妙な愛着が湧いてしまい、細かく手を加えては消し、手を加えては消し、を繰り返していたのですが、ある文学賞に応募することでようやく一区切りをつけました(結果はもちろん一次落選)。
応募原稿の中では歌詞を2つ引用していて、それが表題のフィッシュマンズ『ずっと前』とアナ『Deep Imagination』です。
小説内での歌詞の引用可否については明確な決まりこそないものの、調べてみるとなかなか際どいテーマのようで、直前まで迷いました。
結果的に、引用したことがはっきりとわかる表現にし、原稿末尾に引用元を明示するという形にして応募したのですが、カクヨムの本稿では歌詞の引用部分は削除のうえ公開しています。
ここでも引用は避けますが、どちらも大好きな楽曲です。
執筆、読書のお供に是非聴いてみてください。
フィッシュマンズの好きなところは、春夏秋冬いつ聴いてもその季節に楽曲がフィットするところ。
それに加えて何か、心の底のほうに沈み込んでいた原風景的なものを内側からくすぐられるような感じがするところです。
ただ、個人的に『ずっと前』は今くらいの季節、秋口から初冬にかけて聴くと特にしっくりくるように思います。
フィッシュマンズは少し前に映画も公開されましたね。
見に行きたいと思いつつ行けないまま公開が終わってしまいそうで残念。。
アナの『Deep Imagination』は、STUDIO 4℃制作のアニメーション映画『Deep Imagination - 想像する遺伝子たち』のテーマソング。
同じくSTUDIO 4℃の映画『マインドゲーム』が大好きで、そのつながりで本作を知りました。
本作をモチーフにした楽曲のビデオクリップは一度観ただけなので、具体的な感想を書けないのが歯がゆいのですが、楽曲も映像も夢の中にいるような印象を持ったことを覚えています。
次々と立ち現れる物語。夢と現実のできごとがコラージュのように折り重なる感じ。初めて来た場所なのに、初めて見る光景なのに不思議な懐かしさが訪れる。野枝実が先生とドライブに出かけた帰り道、明け方の高速道路で聴くカーラジオから流れてくるイメージにぴったりの楽曲だと思いました。
というわけで(?)、まぼろしの人はもう少し続きます。気長にお付き合いいただけましたら幸いです。