それは小さな変化。
ずっと張りつめているような、空気のピリピリ感も、川の水流も改善されている。
いつも参拝する神社さんも、変わりない。
一時感じた圧迫感と緊迫した空気は、一気に変わっている。
なぜ是宮が私の実家の墓参りと、本家の管理する神社の浄化に訪れた途端、変わっているのだろうか。
その浄化作戦は、かなりの月日をかけて 、是宮がしてきてくれた。
私自身が本家に戻れない事も汲み取って、私の代わりに何度も、墓参りをしてきた。
おそらく本家家族より、頻回に足を運んでいると思う。本家では夏のお盆くらいしか、墓参りはしていなかった。
最近のことは知らないが、私が小さい時から離れるまでの習慣は変わらないだろう。
是宮は必ず、一人で行動をする時は、己の行動予定を誰にも言わない。
私にも言わない。
だからいつも、全て済んでから聞かされる。
今日はここに行ってきたと言われる。
初めは驚いていたが、最近はもう驚かない。
むしろ笑うしかなくなる。
なぜなら、ガソリン代が高いだの。身銭を切って動いているだの。散々言ってあるのを知っているからだ。
散々言っている割に、己の正義を貫く是宮。
そのギャップが大き過ぎて、もう笑うしかない。
しかし、知っている。
是宮がどれほど、私を大切にしてくれているか。
しかし、アマノジャクな私の気持ちを汲んで、神様たちが是宮を揶揄う結果となっている事も記しておくこととする。