葉村「リャナンシーに取り憑かれたい」
担当「リャナンシーというと別名『妖精の恋人』で取り憑いた男に芸術的な霊感を与えるがその代償に少しずつ精気を吸い取り最後には殺してしまうモンスターですね」
葉村「うん、そのリャナンシーに憑りつかれるだろ? ラノベ作家として大成功するだろ? で、死ぬだろ? 何人もの男を憑き殺して人の死に慣れたリャナンシーは無表情におれを見送っているだろ? おれは最後の力を振り絞ってその手を掴んで言うわけさ『ありがとう、悪くない人生だった』」
担当「ふむそれで」
葉村「それで終わり。リャナンシーがその後どうしたのかはわからない」
担当「嫌いじゃありません」
葉村「だろ? おれの理想の死に方ランキング四位なんだ」
担当「なんですかその狂気しか感じないランキング」
葉村「ラノベ作家なら普通だって。因みに一位は――」
と、いうことで今回はファンタジーに欠かせない『パ』のつくあいつことパンツの話をしたいと思います。
なおラノベ作家一名(H村Tさん)に聞いたところ、一名中一名が理想の死に方ランキングを作っていたのでラノベ作家の理想の死に方ランキング作成率は百パーセントです。
これぞ統計マジック!
中世風ファンタジー世界では当たり前のようにパンツとブラジャーが存在していますが実際はどうだったのでしょうか。
結論から言うと、現代と似たようなものが中世にもありました。
ただし非常に高価なためノーパンノーブラであってもおかしくはありません。素材は大きく異なりますし、素材が異なれば必然的に形状や仕組みも違ってきます。
特に現代のパンツには必須であるゴムがありません。
ゴムがないということはわかりますね。
ファンタジー世界のパンツはもれなく紐パンです。
わたくしも作家の端くれとして、イラストレーターさんにはきちんとそのようにお願いしました。
パンツの歴史を簡単に説明すると最初はブレーあるいはブライズと呼ばれるハーフパンツに近い下着から始まり、下着としての役割に特化するにつれて短くなって行き、トランクス状の下着を経由して最終的に紐パンにたどり着きます。
全ての道がローマに通じるように、全てのパンツは紐パンに通じるのです。
これからファンタジー作品を見るときは、こいつら全員紐パンをはいてるんだなと心の片隅で思いながら視聴しましょう。それだけで作品が三割は楽しくなること間違いなしです。
しかしこのファンタジー紐パン理論には一つの難点があります。
実はこれ、中世の男性用下着の話なんだ!
HAHAHAHAHAHAHA!
厳つい歴戦の戦士も、ローブをまとった老賢者も、ひげを蓄えたドワーフも、みーんな紐パン――ふざけるな! そんな世界が許せるか!
失礼興奮してしまいました。女性用下着に関してはよくわかっていません。
シュミーズのようなワンピース型の下着をつけてたとか、男も女もパンツはいてたとか、女はパンツはいてなかったとか――諸説あるので好きな説を選んで信じましょう。
ということで、私の精神の健康のためにちょっとだけ夢のある話もします。
『和服はパンツはかない』、これは半分ぐらい正しいです、
まず和服の下には腰巻(湯文字)、襦袢といった下着を着用します。
このうち、パンツに相当するのは腰巻(湯文字)。
名前の通り腰に巻いた布でいわゆる巻きスカートです。
その下は? 何もありません。
ただし腰巻(湯文字)は丈が長くて膝まである。さらにその上からもう一枚足首まである裾除けってのを巻いています。とどめに裾に鉛の錘を仕込んであるためちょっとやそっとじゃめくれません。
隙だらけに見えて隙がないというオチでした。
どうしても見たいってんなら、それこそ道に寝転んで誰かが上を通るのを待つしかないんじゃねえかなHAHAHAHAHA!
まあ、パンツやふんどしみたいに包み込むタイプの下着は使ってなかったってことさ!
以上、ちょっとためになるパンツの話でした。
次回はパンツ繋がりでパンの話をする予感。
『理想の死に方ランキング一位:死んだかと思ったがそんなことはなかったぜ! Yes! ハッピーエンド!』葉村哲