親しくさせていただいているインディーズアーチストのブログに、こんな言葉が載っていました。
馬上枕上厠上(ばじょうちんじょうしじょう)
昔から、いいアイデアが生まれるのは、馬上(乗り物の上)枕上(寝る前、リラックスしている時)厠上(排泄時)と言われています。歌詞も同だろうと。
歌詞やメロディーが浮かんでくるときというのは、移動中やさーて、寝ようかなという時や、トイレで用を足しているときが多い
というお話でした。
これには僕も納得です。
家から仕事場までの15分足らずの道。
僕はその往復の中で、実に多くの作品のアイデアを思いつきました。
それはシチュエーションであったり、キャラクターだったり、印象的なセリフだったり、物語の書き出しだったり、様々なんですが、それを足掛かりに物語を膨らませていくことで、1000文字未満のショートショートから10万文字を超える長編まで、ぱっと思い出せる限りで20作品くらいはあります。
日課のコヒーに毒が入っていたら
玄関を出たときに靴ひもがほどけていることに気が付いたらら
雨が降っているのに傘をささずに歩いている女性を観たら
コンビニで缶コーヒーを買ってそれを歩きながら飲んだらネクタイを汚してしまった
毎朝同じ挨拶をするコンビニの店員の態度が変わったら
あの野良猫は、実は宇宙生物じゃないのか
あれ? こんなところに電話ボックスあったけ?
とか、とか
妄想のきっかけは歩くスピードで五感に触れる情報から得たもののほうが、よりリアリティがある。
これは普段、車や電車で移動することが『日課』になっていない僕の感覚なのですが、もちろんだからこそ、車や電車の中でも『何か特別なこと』は起きるものです。
電車の中で正面に座っている人がにやにや笑いながらこっちを見ていたら
人気のないところでずっと一台の車がつけてきているとか
何やら生き物を引いてしまったようだけど、それから薄気味悪いことが起きるようになった
とか
そして僕は寝る前とトイレの中では妄想しないようにしている
なぜなら
きっと、とてつもなく怖いことを妄想しちゃいそうだから
隣でカサカサ音がする
とか
お風呂の中で視線を感じる
とか
ね