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【カクヨム甲子園プロット】6

〇テーマ
運命? いいえ、結局はガチャです。

〇世界設定
現代日本。冬。

〇登場人物/キャラクター設定
主人公:
しがない会社員。独身、彼女なし。二十代後半。

ヒロイン:
主人公とは縁もゆかりもないOL。二十代半ば。美人。男には困っていない。

〇ストーリー
 体から発せられる熱の時刻歴データをみると、もちろん変動している。ある一時として、同じ値はなく、多少は上下しているものである。このデータをFFTにかけてみると、個人の熱放射周波数がわかる。この周波数が、一致する人こそ、運命の人。
 同じ温度で温めよう。
 ここ数年彼女のいない主人公は、そんなうたい文句のマッチングアプリに期待していた。
 アプリに登録後、周波数が近いひとが何人か現れた。顔も名前も知らないまま、とりあえず、ひとりの女性に会ってみる主人公だったが……。目のまえに現れたのは、だいぶ年上の、バツイチ、子持ち女性だった。
 騙されたような気分になった主人公は、アプリを開かなくなってしまう。
 しかし数日後、周波数が完全に一致する女性が現れたと、アプリから通知が届く。ほとんど期待していなかった主人公だったが、待ち合わせに現れた女性は、ものすごい美人だった。
 その女性は、ちょっと面白そうだから、アプリを始めたらしく、今日も、気まぐれで、主人公との待ち合わせに応じたらしい。
「周波数一緒ってよくわかんないけど、どんなかなって思って」
「たしかにそうだよね」
 緊張する主人公をよそに、ヒロインの美人OLはリラックスした様子で、会話を続ける。
 この時、ヒロインは、「周波数一緒ってほんとよくわからないけど、ただのガチャじゃん」と思っていた。
 美人との出会いを果たし、主人公はヒロインの気を引こうと必死に振舞うが、当のヒロインは退屈そうにしていた。そうして、会って数時間でヒロインと別れ、挨拶のつもりで送ったメッセージは、既読にすらならなかった。

(終)

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