第1作、第2作と、ややアダルトな作品を続けましたが、今回は明治初期を舞台にした青春物です。
明治薩長藩閥政府にとり、お上に逆らった賊軍の地、東北は山形、そこで生を受けた少年の成長を綴ります。
折しも、初代山形県令に薩摩の三島通庸が乗り込んできます。そこで関山新道騒動が勃発し、県令と住民の戦いが起こりました。そして、そんな経験を通して、少年は法律家への道を歩む決心をしていきます。
その少年こそ、後のポーツマス日露講話条約においてフランス語を駆使して講話の締結を果たし、第一次世界大戦後の国際連盟で日本側主席全権を何度も勤め、その人格的高潔さは世界的な信頼を得て、満場一致でアジア人初の国際司法裁判所の長官となった、安達峰一郎法学博士、その人でありました。
清十郎にとり、ちょっと離れたご先祖様にあたりますので、僭越ながら清十郎も登場させてしまいました。よろしくお願いいたします。