ときどきネットでは、「異世界にあってはいけないモノ」が話題になります。
ジャガイモは、その代表例ですね。
農林水産省 子供のための農業教室 > ジャガイモ 「どこからきたの?」によると……
日本では、インドネシアのジャカルタから伝わったために、「ジャカルタから来たいも=じゃがたらいも」と呼ばれるようになり、救荒食物として江戸時代に広まったそうです。
つまり、江戸時代案件。
それと、西洋ヨーロッパに伝わったのも、15世紀末なので、中世といえるか? 微妙な時期ですよね。
異世界ファンタジーで舞台とされる「中世ヨーロッパによく似た街並み」は、いわゆるコンピュータRPGで舞台になる「剣と魔法の世界」です。
ね? 変だって思いませんか?
だって、空中に仮想ウインドウを開いて、ステータス表示を出せる技術があるのに、なんでジャガイモがないの?
何となくですが……
異世界に転移/転生するファンタジーだから、現実世界との差異が大喜利的なアイディアになっているから でしょうか?
つまり、現実世界において、常備野菜であるジャガイモは異世界に相応しくない。そういうことなのかも知れませんね?
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異世界ファンタジーという潮流―― これって、無料で読めるネット環境に特化した作品群だと思います。
「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」などRPGを遊んだ共通体験を基礎に、「何となく中世ヨーロッパ」な舞台と大道具、小道具にキャラとゲームシステム。
いわゆる説明不要のナーロッパは、閲覧は無料です。スキマ時間に、ぱっと気楽に読めることに特化した結果……
「設定説明をしてはいけない」とか「風景描写をしてはいけない」とか「1エピソードは3000文字以下」とか「こまめに改行すべし」など、文字を読む時間的コストも削減する方向に深化してきました。
逆にいうと、「設定説明が命」のSFは、カクヨムコン6以後、お取り潰しという憂き目にあっています。
でも、変化はあると思うんですよ。
例えば、今回のカクヨムコン7では、「ComicWalker漫画賞」と「映画・映像化賞」が設けられています。
KADOKAWAさんのホームページIR情報や決算説明資料でも、IPの長寿命化のため、映像化を進める旨が説明されています。
そう、小説単体では売れなくっても、絵があれば作品は売れるみたいなのです。それは、江戸時代の人気作品「南総里見八犬伝」もそうですよね?
きっと、時代はイラスト付き小説に向かっていると思います。
インターネット黎明期は回線が細くて、テキストデータを送受信するので、いっぱいいっぱいでした。でも、現在は、光回線に5Gバンドな時代。データでもサーバー容量でもクライアント側の端末でもイラスト対応が簡単な時代になっていますから。
最近、たいあっぷ さんという絵付き小説サイトができたので、ちらちら見ているのですが…… 小説家と絵師の関係は簡単じゃないな というのがいまのところの感想です。
あと、すっかり音沙汰のないカクヨムロイヤルティプログラム第2弾の読者から直接に収益~ って、考えると、ね。
ネット小説は無料で読めますから、異世界モノに関しては共通化されてますから、「お金を払ってでも読みたい」と一般読者に思わせるには、やっぱり、イラストで差別化するしか、方法はないのかも知れませんね。
で、この近況ノート、イラスト付けられるんですよね。
カクヨムさんが、ず~っと、「近況ノートだけ豪華仕様の小説投稿サイト」のままでいるとは…… ちょっと、考えにくいので、やっぱりいつかは、KLP第2弾をイラスト付きで収益化とか、始まるんでしょうか?
特に、SFとロボは、絵さえあれば、ワンチャンあるかも と思えるだけに、色々と複雑ですね。
いや、他の小説投稿サイトが、イラスト付きになっていますから、カクヨムさんだけはテキストオンリーを貫き通して、時代に抗ってほしいなとも思うのでした。
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エルフのお嬢さんと、T型フォード。
あ、ガソリンエンジンというか、内燃機関は、工作精度でも材料工学でも大変に高度な知識の蓄積を要求される装置なので、中世の技術水準では、ぜぇったいっっ作れません。
蒸気機関みたいな外燃機関よりも、内燃機関の方が難しいんです。特にガソリンは、熱量が半端ないので、エンジンを作るのはめちゃくちゃ難しいです。
でも、絵にしちゃうと、不思議と違和感ないですよね? ね?