万人にお勧めするものではありませんが。
みなさんご存じの童話を翻案したものです。
グリム兄弟ではなく、ペローが拾遺し作品にした「赤ずきん」を元にしています。筋は大きく変えてはいません。話の流れはそのまんま。
よって、猟師は出てきません。祖母と孫娘が狼に喰われておしまいです。
ペローは最後に、説教めいた教訓を独自に付け加えているのですけど(お嬢さん方、悪い男にひっかかっちゃあダメだよ的な内容)、その部分は捨てました。バーの男女の風景に置き換えています。
本当は怖いどうとかこうとかいう本が、ずいぶん昔に流行りました。版を重ねるごとに改稿し、残虐な部分も改めて今に伝わるものではなく、単に初版や拾遺した当時の民話の原型に近いやつを紹介したものが。
ならそれを、ちゃんと現代的に、描写加えて書いてみたらどうなんだろ? という、昔からちょっと思っていたことを、形にしてみたものです。
童話ってけっこうハードボイルドぽいよねという思いもあるので、それも盛り込んだつもりです。
優しくマイルドに、甘ったるいままにした童話や民話の書き換えを、僕が好まないのもあります。甘いものはしっかり甘くしつつも、辛いものもそのままがっつり辛口であって欲しい。
ではまた。