皆さま
お疲れ様です。
夜分遅くに失礼いたします。
本日は、二点ほどお話をしに参りました。
1.レビュー御礼
先日公開した「孵化」に、冬寂ましろ様と野口マッハ剛様よりレビューをいただきました。
描写を褒めていただき、とてもとても嬉しいです!
本当にありがとうございます!
https://kakuyomu.jp/works/16818093091671662228/reviews皆さまが綺麗にお料理をされている中、マスカルポーネを腐らせて良かった……。でも、中にはりんご飴をぎっしり腐らせる方もいらっしゃると知りまして……。槙野はまだまだ腐らせ足りないことが発覚しました。次に腐らせるものを考えておきます……。あ、あと失恋ものですが、テーマは「喪失」と「再生」なので、歴とした現代ドラマです!
(途中までタグ指定を忘れていたなんて言えやしない……)
そして、もうひとつ!
「きみの隣〜聖なる夜に願いを込めて〜」にも河東遊民様からレビューをいただきました!
本編未読でも読めるように各番外編を書いていたので、う、嬉しいです。そして、そこからふたりに興味をお持ちになり本編まで読んでくださったのが嬉しくて……。
兎に角、本当にありがとうございました!
https://kakuyomu.jp/works/16818093090554613124/reviews/168180930916585251822.さてさて、実は本題はここからです。
先日、虹乃ノラン様の「そのハミングは7」のサイン本が届きまして、早速読ませていただきました。
結論――買うべし!
やっぱり紙は良い! 目や指が滑ることなく、言葉の一つ一つをなぞりながらしっかりと読めるのが良い!
そして改めて拝読し、特に心に残った場面がありまして……、今回はそちらについて、あらすじを含め色々とお話をさせていただければと思います。
少し長くなりますが、お付き合いをいただけますと幸いです。
主人公の少年トビーは、ある日突然ハリケーンで光を失うのですが……、その事実を受け入れられなくて、憤りを感じ、心を持て余していました。
そんな中、一家で移り住んだメイン州の田舎町ニネベ。そこは自然豊かな町で、暖かい人が沢山います。でもトビーは、周りの人の心を受け入れる余裕がありません。仕方のないことです。だってトビーの心は、今にもグラスの縁から溢れてしまいそうなのだから。
でも、愛犬のハミングと散歩中、不思議な男「ジャンナ・グッドスピード」と出逢い、トビーの道は変わりました。
トビーは初め、粗暴なジャンに苛立ちます。しかし、トビーを『盲目の少年』ではなく、『ひとりの少年』として接してくれるジャンに少しずつ心を開いていきます。
そんなある日、ジャンの運転で隣町のエクタバナのダイナーに行き――そこで働くウエイトレスのサラに恋心を抱くわけです。
まあ、その後も途中色々とあるわけですが、私がご紹介したいシーンは、そのダイナーにジャンと共に再び訪れたトビーが、サラの言葉に導かれながら折り紙の鶴を折るシーンです。
光を失う前、トビーは学校の授業で折り紙を折ったことがありました。簡単な物ですら歪になってしまって、鶴にも挑戦しようとしたけれど、結果折ることができなかった――でも光を失った今、トビーはサラの言葉を辿り、ひとつ、またひとつ折っては開き、開いては折り……。形を変えながら、ゆっくりと鶴を折っていきます。
その途中、サラが言います。
「強く引いても大丈夫よ、その翼を持つ鳥は、そんなに弱くないわ」
そして完成した鶴を見て、
「これでいつでも飛び立てるわ」
トビーにそう、言うのです……。
生きていると、とても躓くことが多いですよね。
時には失敗するし、時には遠回りするし、時には投げ出したくなる。
折り紙の鶴って、多分人生と同じ。
辿り着くまでに、何度も何度も折り続ける必要が――とても長い道のりがある。
でも、どんなに長い道のりがあっても、挫けそうになって傷だらけになっても、人はそんなに弱くない。誰かに支えながら、誰かと支え合いながら強くなれる。
そうして完成した鶴は――人の心は、きっと折れない。
私はこのシーンから、人はひとりじゃないんだと、何があってもまた立ち上がって歩いていけるんだと。あなたはきっと大丈夫なんだと、そんな力強いメッセージを感じました。
そして『そのハミングは7』には、弱さを無理に強く見せる必要はないのだと。弱くても良い、ありのままで良いのだと……そんなふうに肯定してくれる優しさがあります。
その時々で、その人に必要な言葉が、沢山詰まっています。
……このお話に触れていない方、まだ大勢いらっしゃると思います。
それは今、その人に『そのハミングは7』が必要じゃないから、かもしれません。それはそれで多分、良いのだと思います。
でもいつか、辛くて苦しくて。行き場のない想いを抱えてしんどくなった時は、あなただけの『そのハミングは7』を思い出してください。
きっと、あなただけの物語が心の支えになってくれる筈です。
私はこのお話を読んで、そんな風にも感じました。
物語は、良いですね。
私たちを色んなところに連れて行ってくれる。
だから私は、読むのが好きです。
そしていつか、私だけの『そのハミングは7』を書けるようになりたいな……なーんて思ったり。
まあ、それはまだまだ先の話ですが……。
子どもでも、大人でも。幾つになっても、夢を見ることは決して無駄じゃないですよね。
それがきっと、心の糧になる。
そんな風に思い続けられる人でありたいと、そう思いました。
……よし、頑張ろう。
それでは、今回はこれにて失礼いたしますm(__)m
またお逢いしましょう。
明日も、皆様の心に沢山の光が訪れますように。
【ご案内】
『そのハミングは7』KADOKAWAオフィシャルサイト
https://www.kadokawa.co.jp/product/322408000646/「【勝手にヨム応援!】おすすめ長編作品★ ほか!」
https://kakuyomu.jp/users/makino_hikari/news/16818093091559331296※先日ご紹介した作品を追加しました。