『無彩色の夢』あとがき

 本作品を遂に書き終えることが出来ました。ここまで読んで下さった皆様、そしてここまで応援してくださった皆様、本当にありがとうございます。スターやコメント等、大変励みになっておりました。

 ここでは裏の事情について、少し綴りたいと思います。


☆この物語を描こうと思ったきっかけについて
 『会話パートについて』の内容と若干被りますが、元々この作品は2022年春頃にエタらせた作品でした。2022年時点で公開していたストーリーは『第1章 1.始まる入院生活』と『第1章 3.憧れの世界』の2エピソードだけでした。この時点で雛が幽霊という存在で唯人以外から視認されないという設定は考えていましたが、なかなか先の良い展開が思いつかず...といった風にエタらせてしまった訳です。
 転機が訪れたのは今年(2023年)の3月、私はあるものにハマりました。それは『ノベルゲ』と『量子力学』です。量子力学に関しては一時のマイブーム的なやつですが...。Rewriteというノベルゲに感化され、完走した時の勢いで「以前にエタらせたこの作品の続きでも書いてみるか~」と思い立ち、ノベルゲに影響されて会話文多めで書いてみるとなんと不思議!スラスラ物語が書ける!!なにこれ楽しっ!となり、この作品に再度戻ってきました。そしてもうひとつ、量子力学の観測問題と雛の幽霊の事象を紐づければ面白いのでは?と考え、更に創作意欲がマシマシになりました。そして今に至る!という感じです。


☆最も展開に悩まされた点
 物語の展開で最も悩んだ場面は『第3章 7.神の眼と世界の要素』~『第3章 10.さよならの時』です。この辺りの物語では「世界の要素」と「それぞれの世界の人物からの可視不可視」が重要な要素でした。雛は唯人の世界の人間には見えない、逆に雛は唯人の世界の人間を見えるなど、下図の関係が成立するような《《可視不可視の定義を決める》》のに非常に悩まされました。図示はされていませんが、もちろん唯人のみが雛を認識できるという関係も成立します。悩みに悩み、やっと定義を決定し、これで終わり!と思いきや...また大きな問題点が...今度こそ終わり!と思いきや...また問題点が...の繰り返しでした。
 最終的にやや強引な手で定義を変更し、下図の関係を成立させることができました。

 当初の可視不可視の定義は「観測者が観測対象の元の世界の要素を持っていれば可視」というものでした。しかしこの定義だと雛の世界の人が唯人を視認できないことになってしまいます。そこで導入したのが要素の強度です。導入するとそれぞれの関係がすっきりと成立しました。
 物語の世界に起こる事象を万物に成立するように定義するってなんだか神様みたいですよね。そんな気分で少し楽しかったです。まあほんの一片しかやっていませんが...(笑)


☆さいごに
 改めてこの物語を最後まで読んで頂きありがとうございました。初めての長編小説への挑戦で不安要素ばかりでしたが、本当に皆様の応援のおかげで無事に物語を完結させることが出来ました。(ページスタンプやぺコメ、感想などで皆様の想いが直に伝わるのが本当に至福でした!)私自身最後まで思い描くままに物語を書けて大満足です!

 雛と唯人、そしてむぎの新たな生活、日常が素晴らしきものになることを
 そしてまたいつか、唯人と雛、むぎの世界で会えることを。


むつぎ

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