小説、中でもラノベにとって、イラストは生命線です。
いまに始まったことではありません。私がラノベでデビューした頃は、まだ世の中がのんびりしていて、ファンレターも何通か著者の元へ届きましたが、それが全部、「カバーイラストを見て買いましたが……」というものでした。まあ、イラストに惹かれて本を買ったら、意外に面白かった、と続きましたので、すなおに「ありがたいなあ……」と思ったのですが、イラスト100%の原作は、30年以上前からあったわけです。最近は、ラノベはコミックと同じ、ビニールの幕で開けないようにしてありますので(シュリンク包装)、イラストの役割は、ますます重要になってきています。
「ライトノベル」ということばが生まれる前は、編集者は、一般小説から流れてきたので、イラストレイターについては、まるで知りませんでした。作家のほうから、「この人にお願いして下さい」と頼むことが多かったのです。私もデビュー作は、漫画家の川原由美子さんと親交があって、実力を知っていたので、お願いしてもらいました。いまでも宝物です。
イラストも、いまのようにpixiv などはなかったので、ラノベ専門という人はいませんでしたね。
まあ、この作品には、イラストは付けられないので、中身をより厳しく読まれるんだろうなあ……と、けっこうおっかなびっくりで、やっています。