これ特に最近の文学評論で言われていることです。
1:子供が主人公でかつ大人に勝つこと。
「友情・努力・勝利」ってよく言いますよね。ラスボスは大人なんです。
まず、これが今のラノベから消えた。痛いです。
2:受験の葛藤と恋愛を描いた作品
これも今のラノベから消えたものです。痛いです。普通中高生って就職、専門、大学って進路を模索し恋愛しながら葛藤するもんなんですよ。
※大学生主人公の場合は就職活動と恋愛で葛藤する。ただし理系大学生の場合は中・高校生と同じく恋愛・院進学受験・就職の間で葛藤する。大学生の場合はブラックバイトという現実にも遭遇する。ある意味「自分の死」を体験する。今の子(ここ15年)にとって社会人になることは憧れではなく絶望・葬式を意味する。
なんせ令和の世はブラックバイトどころか「バ畜」という言葉が流行語になるくらいですから。「バ畜」とは「社畜」と「バイト」を組み合わせた造語です。
3:デスゲーム・サバイバルゲーム・逃走劇
最近の子供は日本が落ちていく姿しか見てません。つまりきれいごとなんて大嫌いという側面が今の中高生に強いのですが私はラノベでデスゲーム系がトップになったとか実売数でデスゲーム系が1位になったランキングを見たことがありません。死との葛藤から生まれる友情も猜疑心もデスゲーム系の特徴です。これは4番目にも関わります。なお平成初期のラノベような「大人の偽善にはまっぴらだ」などという「青い」ものではありません。もっとドス黒いしラスボスは子供じみた大人というもっと狂気かつ悲惨な姿でそれが令和キッズが下した大人への評価です。だって今の財界人も政治家も大人の顔をしていないもん。
下手するとデスゲーム系は警察官がラスボスという例もあります。それだけ警官に対する信頼を失ったということです。数々の警察不祥事がそうさせたのでしょう。調書も改竄なんてしてね。
4:死との葛藤
余命と戦う物語は女子に人気ですし死者と会うという話が東日本大震災後に大流行となって現在進行形です。が、ラノベでこの系統の話がトップになったランキングを見たことありません。膵臓はともかく。
『半分の月がのぼる空』のような作品はもうほとんど今のラノベでは見られない。膵臓ですらもう9年前で2世代前の作品とも言ってよい
5:純粋なスポーツ物語
説明不要。特にジュニアプロみたいな世界だね。
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中高生が嫌いなもの
スローライフ、中年が主人公、ざまぁ、婚約破棄、乙女ゲーム、悪役転生、俺ツエー、チート、ハーレム、ステータスオープン、萌えヒロイン、V-Tuberの正体・恋愛劇、NTR、MMORPG
※男子大学生は好き嫌いが分かれる、女子大学生は嫌いなまま
残念ですがこれが現実です。
で、今後の児童文学の動向ですけどいよいよ「親が日本では食えずに海外出稼ぎ」とか「子ども食堂」とか「自分がアイドルになって親の貧困を救う」とか完全に親と子の立場が逆転するお話が受けるでしょう。たぶんね。『若おかみは小学生!』どころでは無くて「小学生だけど社長ですが何か?」のようなお話も今後受ける事でしょう。
普通は親って子供を守り支えるものなんですよ。それすらも出来ずに離婚・失業・頻繁な転職という大人失格の大人が多すぎるから子供向けのお話もそうなったのでしょう。大人が「異世界転生」している間に子供はいろんな意味で大人を見捨てたのです。そこにはもう第二反抗期すらありません。