【男性用】
『エマ、久しぶり 僕がシャルロットを出てはや 10年が経ちました
今日は誰よりも報告したくて 手紙を
書きました
フィナンシェの中央部に着工から約一世紀
かけて建設されたシトラス大聖堂がある
ことを君も知ってるよね
ステンドグラスの光が虹色に入り込む天井に
今回僕がてがけた壁画の作品
【エマの微笑みと天使たち】が完成しました
僕は君が そう エマシャルロットが喜び
微笑えんだ顔が見たくて ただ 見たくて
だけど それは叶わなかった
僕の身体は当時既に難病に侵され
余命僅かと言われていたから
この手紙を君が読む頃には、僕はもうこの世にいないだろうから
僕は君の笑顔は見れないけど
どうしても君に伝えたい事がある
エマ、君の気持ちには気がついていたし
嬉しかった
本当は、君が僕を想ってくれてる前から
僕は君のことが
だけど、本心とは裏腹にピエールシャルロットに君を
君の父上はフィナンシェでも有数の
芸術家であり、建築家
僕は君の父上の作品に衝撃を受け弟子入りし
毎日雑用でも何でもした
しばらくして君が生まれ、君の子守りも初めてだったけど、自ら買って出た
赤ん坊の君は目に入れても痛くないほど可愛かったから
それから20年後、僕は君の父上に
認めてもらいシャルロット家の養子になった
だけど、僕と同時期に入ったピエールは
僕よりも才能があり、君の父上からの信頼も
厚かった 当然 君の父上は君の婿に
ピエールを考え そして、僕は君の父上に
見合いを勧められた
僕は君の父上を尊敬し、恩もある
だがしかし、僕は自分の気持ちに嘘は
付けなかった
ごめんね
その後の話は君も知っての通り、僕は
シャルロットから独立し いつか
君の目に止まる作品を作るために
君への僕の想いは…
あの シトラス大聖堂にあるから
さよなら…エマ』
[女性用]
『私の中に今も生きているピシェロシャルロット
10年前、私は自分の気持ちに嘘を付いてしまった
幼い頃から私を誰よりも可愛がってくれたピシェロ、そんなピシェロを気づかない内に好きになっていた
ねぇピシェロ 覚えてるかしら?まだ6歳だった私が父上のアトリエで1ヶ月後には出展する絵画に落書きをしたこと?
今はグラサージュ美術館に展示されるほど有名な作品だけど、あの当時 父上は掛け持ちでフィナンシェの東部に建築中のパリブレスト礼拝堂に行っている隙にあなたが絵画を修復してくれた
だけど父上の目は誤魔化せず、みつかって貴方は3日間食事を与えてもらえず 私が落書きした事を言えば許してもらえたのに
庇ってくれた
今でもあの時のことは鮮明に覚えてる…
庇ってくれたから 可愛がってくれたから
そんな言葉では表せないほど 貴方の愛情に包み込まれた日々が宝物だったの
それなのに…私は
父上の言うとおりにしか出来なかった!
好きでも無いピエールと結婚することしか出来なかった!
そう、全部私が悪いの…
ごめんなさいピシェロ
でも、これだけは信じて欲しい…
私の心は今でも貴方の物だから
その証に、シトラス大聖堂の壁画は
今、私のアトリエにあるから』