前作「成瀬は天下を取りに行く」の続編。
面白かったです。構成は前回同様短編連作です。前作10万も売れたのか。
何が楽しいって、主人公の成瀬がとても応援したくなるキャラクターで、もう、このキャラクター作った時点で勝ちだなぁと。
前作と今作で比較すると、やはり前作のほうがインパクトは大きいです。ただ今作のほうが、全体的に期待感があって、どの章も読みたくなった感があります。こなれた感が。
パターンとしては理系女子のコミュ障キャラに入ってくるのですが、ラノベ的な性格造形ではなく、娯楽系の造形だなと思いました。
前作今作通じて、何故、こんなにも成瀬を応援したくなるかというと、多分ですけど、脇役の島崎のせいだと思います。
島崎が成瀬を応援し、成瀬に振り回され、成瀬のことをウォッチしつづけることで、読者も島崎視点で成瀬を応援し、振り回され、ウォッチしたくなるんだろなぁと。
今作でも島崎はちょいちょい出てきて、成瀬と対照的な「普通の人」としてのツッコミを見せてくれて、そこがポイントになっているなぁと。
このキャラ配置をうまく転用すれば、面白い小説が出来そうな予感。
うん。誰かが誰かを応援するっていいな。
今度、やってみよっと。