体調不良と引き換えに心の健康を手に入れるってどういうことだってばよ!?
今回の更新分にはミカミカミ・バシクラ・まこゆうなど他作品で共通する設定単語が出てきたりします。
ただ単語として出てくるかどうかは別です。ええ、まあ、多分……
「ユーナ先輩は勘がいいのか鈍いのか、微妙だからなぁ」
手に持った本に語りかけるように呟き、キッドはわずかに思案する。
別に口止めされているわけではない。だが知りすぎた末期の凄惨さは把握している。
下手すると狭間の住人となってしまう。悪に堕ちるよりも面倒な存在だ。
「でも概念寄生体はある意味創世に関わるし」
神話と言えばわかりやすいのかもしれないが、そんな易しいものではない。
人知を超えた宇宙規模での蹂躙と変革、その根源で光るのは小さな願望。
大した話ではなく、絵画に憧れた子供が画家を目指す程度だ。
「僕の情報源よりは、僕の存在を追求されると困るくらいかな」
できればもう少し人間としてのんびり療養したい。
これはそういう休止期間だ。休暇は有効活用し、短縮したくない。
うんうんと唸った末、キッドは思考を放棄した。
「まあいいや。まずは事件解決で、次に本作成だ」
彼にとって最優先事項は書籍作成なのであった。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885803826/episodes/1177354055116205896