今週（先週）の公開内容
バシリス・クライム「現代設定が脅かされるノンフィクション」
自粛。科学の時代、薬学も発展したご時世において――こんな目に遭うとは夢にも思っていなかったぜ。
そんなもしもの話。俺、雑賀サイタの所感を軽く語ろうと思う。
まあ俺は一人暮らしなんで、地方に両親と妹達がいるわけなんだが……もちろん帰れない。移動による感染拡大の責任なんて絶対に負いたくねぇ。
というか、ＳＮＳによって正義感や恐怖心からの特定とか、そういう対象になりたくない。
しかし学生なもんで、生活費は両親の仕送りをなんとかやりくりしている。ただまあ、実は家族には詳しく話していないんだが――収入源は他にあったりする。
言っとくが、いかがわしいやつではない。断じて違う。うちに飯食いに来る奴らから食費をもらっている程度の話だ。
引きこもりの枢クルリ、ストリートミュージシャンの鏡テオ、ひょんなことから同棲相手になった大和ヤマト。この三人からはしっかり徴収している。
多々良ララに関しては、同級生で女子であること。たまに来ない日もあるから、食費をもらうか悩んでいる。
前述の三人が多めに渡してくれているので、似たような理由で天鳥ヤクモと青路シュウからも食費について伝えていない。
問題は買い貯めるために人手が欲しいんだが、一人買い物推奨な流れなので、大和ヤマトに連絡を取り合って手分けしている状況だ。
学校がちょっと特殊な登校状況になったが、毎日の家事は変わらない。
人数分の食事を朝昼晩用意するのは骨が折れる。しかも自粛中だって言ってんのに、普通に尋ねにくる後輩とかいるし。
まあ明日の状況もよくわからんし、常に変化を強いられているような生活だ。ニュースを見て、情報を手に入れるのが一種の安心材料となっている。
ただまあ悪いことばかりではない。
さすがのカーディナルや錬金術師機関、あの固有魔法管理政府でさえ。
世界的大流行の前では身動きできず、自粛による活動停止寸前に追い込まれている。
おかげで平和な日常を手に入れた。まさかの災厄によって戻ってくるとは思っていなかった。
大家さんが「青い血の葬式があるから、三日間留守にする」と言ってたのが大流行前なのが気になるが、一般人の俺には無関係だ。
うん、大神シャコが「青い血の葬式って、世界的に経済がやばくなる前兆」とか不吉なことをぼやいていたのも、無関心を装って聞かなかったと自己暗示。
まあ、とにかく。なにが言いたいかと問われれば――。
物語的にはなにも進まないので、この時事ネタは取り入れちゃ駄目ってやつだ。