というわけで忘却編の七話を更新です。
ようやく主人公が戻ってきました。なんかほっとしますね。
そして各所で存在だけはちらつかせている目覚まし時計が、こちらでゲスト参戦してしまったので、早く本編書いてあげなきゃいけない気持ちで一杯です。
まあこれ以上はミカミカミに目覚まし時計は出ないと思います。かなり条件が厳しいので。
意識の内側。
広々とした船の甲板で、獅子が四肢を伸ばしていた。
そんな駄洒落を思いついてしまい、レオは小さく笑う。
それだけ心の余裕ができた。
もうなにもない空間で閉塞感を覚えることもない。
思う存分美しい空を眺め、寝転がる。
どうやら空の色はミカの体内時間に比例するらしく、今は朝焼けだ。
赤い光が拡散し、白い雲をわずかに染めている。空も橙で、見目鮮やかだ。
夜には星空が見えるだろう。そう思うと、胸にわずかな痛み。
けれど忘却の彼方に押しやった記憶を受け止めた。
後悔は消えずとも、嘆くことはない。ただ愁いに浸る。
そして願うは夢の先。追い求めたものを、少年がいつか――。
元太陽の聖獣は静かに眠る。ただ数分後、ミカに助けを求められて渋々起きるのだが。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885804304/episodes/1177354054895545252