というわけで降臨編開始です。
戦闘重視で進めたいので、今回はそんなに複雑にしないよう心がけたいと思います。
普段の仲間と接するとは違う、そんな雰囲気を感じ取って貰えたらいいですね。
「というかさ、ジュードくんは女の子侍らせて三人旅とか気にならないの?」
イスラの問いかけに、ジュードは不可解そうな表情を浮かべていた。
「女?……の子?」
「今、繊細な乙女心を八等分にしたね!!」
ぎゃーぎゃーと騒ぐイスラに対し、近くの座席で新聞紙を読んでいた紳士から咳払い。
半ば立ち上がりかけていたイスラは大人しく座り直す。
変わらずジュードは未発見生物を眺めるような面持ちで呟く。
「気分はペットブリーダーだ」
「しつけ!?」
「間違っていないな」
「……否定しにくいですわね」
自らの凶暴性を半分くらいは自覚しているユーナは、本から目を離さないまま会話に加わる。
愛読書の『カロック・アームズの冒険』を読み進め、何度も見た場面に改めて感動する。
「うう……三日間も可愛いイスラちゃんと一緒にいても問題ないと!?」
「ないな」
「即答!?うぇーん、ユーナちゃぁん……」
「ジュードさんは昔からこうでしょう?今更ですわ」
すり寄ってくるイスラの頭を撫でながら、ユーナは読書を止めずに囁く。
呆れた様子のジュードが追撃を挟み込む。
「生まれ変わってから出直してこい」
「現在全否定だよ!?」
「むしろ過去未来も含めてですわね」
「厳しいなぁ!」
そんな賑やかさのおかげか、三人は三日間の蒸気機関車移動を一切苦に思わなかったのである。
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