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スズメバチって怖いですね

実は昨日(9/25)スズメバチに刺されまして、かなりいた痛い目を見たわけなんですが……
これは感覚とか経過部分を書き留めてネタにした方が良いな、という考えに行き着いたので、まあ参考程度に聞いておいてください。

*途中で対処方法みたいなのを書きますが、ネットで調べまくったことなので鵜呑みにしないでください。
*個人差があると思うので、もしも刺された時はすぐに近くの人に助けを求めたり、専門家(病院)に電話などをお勧めします。
*蜂に刺された描写の一例くらいに軽く受け止めてください。

朝四時半。仕事のために準備をしている時、通勤用のズボンを手に取りました。
このズボンは前日のうちに取り込み、そのあと特に確認せずに室内干しにしていました。
薄暗い上に家族を起こさないために明かりは最低限。まあ慣れたものなので、いつも通り着替えている最中。

左足に激しい痛み。
木の棘が刺さったもんはない。それこそ尖った木の棒がぶっ刺さったのではないかというくらい太さと痛みを頭に思い描いたわけです。
とにかくズボンの裾を上げ、左足のふくらはぎに触れるんですがなにもないんですよ。

薄暗い部屋の中で正体不明の痛み。わけがわからず頭が混乱で満たされた矢先。

ぶぅーん……じじっ。

ズボンの裾から「あら、こんにちは。ニンゲンシスベシ」的な感じで、明らかに攻撃態勢なスズメバチが床に。
パニック相乗。ただ正体が明確になったことで、目的は決まった。
やらねばならぬ。こちらがやられる前に。

虫が苦手なので部屋の近くにG撃退スプレーを常備していたおかげで、即座にそこへ向かう。
手にしたスプレーで「スズメバチシスベシ」とスプレー噴射。

ぶしゃぁああああ、すかっ、すかっ。

無情なり。相手が死に絶える前に唯一の武器を失った。
空になったスプレーは近くに投げ、他に距離を保ったまま撃退できる武器はないかと探し始める。
ワンプッシュで蚊を落とすスプレー(ミニ)を発見。藁にもすがる思いだが、藁よりは頼りになる。

ワンプッシュではなくスリープッシュ。最初のスプレー攻撃が効いたらしく、蜂は体を丸めて動かなくなった。
(これは室内で一匹だけ侵入したからなんとかなりましたが、蜂は敵を刺した後に攻撃フェロモンを散布します。これにより仲間を呼び、集団で攻撃してきますので、誤っても外では同じ方法を使わないでください)

ようやく敵を倒したと安堵した私は、左足の痛みに気を遣うことができた。
痛い。熱いとかではなく、純粋に痛い。
ずぐっ、ずぐっと、なにかが体に痛みを打ち続けているように感じられた。

スズメバチの怖いニュースは毎年のように見ている。
一回目では大丈夫でも、二回目、三回目と症状が重くなって死ぬケースが多い。
アナフィラキシーショック。そんなのとは縁がないと思っていたが、脚の痛みと共に現実味を帯びてきた。

こんなの一人では抱えられないし、動けなくなったらやばい。
私は申し訳ないと思いつつ、家族で一番頼りになるであろう母を起こしに行った。
母に事情を説明し、消毒液と虫用かゆみ止めを渡される。
(後で判明したが、蜂毒は水溶性であるため水で洗い流すのが効果的らしい。蜜蜂だと針が残っていることが多いが、スズメバチやアシナガバチは針が残らないとのこと)
(虫用かゆみ止めも腫れを抑えたりするのに効果はあるらしいので、対処の一つとしては有用です)
(ちなみに口で吸い出してはいけないし、アンモニアも効きません。毒はタンパク質であるらしい。また蜂の毒は複合毒と呼ばれ、あらゆる症状を引き起こすのだとか)

傷口から血が出ているのを見て「本当に蜂に刺されて血が出るんだ」と実感。
以前に父がアシナガバチに刺されたことがあり、血が出たと聞いた時はそんな大袈裟なと思ったが、事実だったのである。
消毒液で傷口を拭いていると、なんだか頭がくらくらしてきた。なるほど、毒が回るという表現の正しさがよくわかった、などと考えている余裕はあった。

微妙に気持ち悪いし、頭がくらくらするし、刺された部位が痛い。
仕事が動き回る類いであるため、スズメバチの危険性を考慮しても休むしかないと判断。
職場に電話すると母に伝え、母には朝早くても駆け込める救急病院へ連絡してもらった。

職場の人に事情を伝え、改めて倒した蜂を見る。
「もしかして蜂の細かい種類とか必要かな?」
ということで袋二重装備で、蜂の死骸を病院に持っていくことへ。
(スズメバチなどは死んだ後でも体の仕組み上、お腹を押したりすると針が飛び出すので、死骸は手で触れないでください。ちなみに私は母がメダカ用に使っている長いピンセットを使用しました)

母に運転を頼み、自家用車で向かうことに。
歩いたり話したりする余裕はあったので深刻ではなかったのですが、足の痛みが増すばかり。
受付を済ませ、先生に名前を呼ばれるまでには足を引きずるようになるところまで痛みが進行。左足の赤い腫れは酷く、経過観察していた私だけでなく付き添いの母も驚いていた。

先生に症状や事情を説明すると、
「蜂の種類は特に関係ありません。蜂に刺された事実が重要です。特に二回目以降は体が過剰反応し、全身症状による呼吸困難などで危険性が高いからです」
「蜂の毒に特効薬はありません。刺された部位周囲が腫れたりするのは局所症状と言いまして、これだけの場合において処置は腫れを抑える薬を塗り、念のためガーゼで服の布が擦れないようにするだけです」
「たとえば呼吸が苦しい、満遍なく発疹が出てきたというのが全身症状と言いまして、この段階になって呼吸器の投入など別の処置が必要になってきます。刺されてから五、六時間経過してもこれらの症状が現れない場合は危険は去ったと考えて良いです」
「今日は夜遅くまではお風呂に入らないでください。血行が良くなって毒が回りやすくなります」
「触った感じ傷口に針が残っている様子はありませんが、気になるようでしたら水流を傷口にかけながら下に押し出すように出してください」
など説明され、簡単な処置のみで終わってしまった。
……あれ?こんなに痛いと思ったけど、実はそんなに大変ではなかったのかな。
というわけで腫れを抑える塗り薬も処方してもらい、病院での出来事はあっさりしたものだった。
(二重袋の蜂は意味がなく、帰路途中のゴミ箱に袋ごと捨てた)
(ちなみに初診と深夜料金で一万近く取られたのは、また別の話である)
(蜜蜂の場合は針と毒袋を敵に残す代わりに絶命するため、針が残るような返しの構造をしている。これを抜く時は用心しなくてはいけないため、不用意に触れてはいけない)
(逆にアシナガバチやスズメバチは針が何度も刺せるように真っ直ぐな構造になっているので、針が残ることは基本的にない。代わりに絶命しない。何度も攻撃してくるので、外で刺されたらすぐにその場から逃げるように)
(またアナフィラキシーショックとはアレルギーへの過剰反応であるため、一回目でも起きる場合があります。これは個人差があるため、一回目だからと油断せずに全身症状か局所症状かどうか見極めてください。全身症状が出たら確実に病院へ)

とりあえず自宅で安静にしようと寝転がるのだが、傷口に布が触れるとかなり痛い。足を刺された故に、寝相に気をつける羽目に。
調べると痛みと腫れは一週間ほど続くらしく、激しい痛みは大体一日で終わるらしい。
その頃には寝ていても常に痛く、傷口に触れれば痛みが悪化する始末。

一体私に何の恨みがあるんだと憤慨。
直後に、普通に殺された恨みだな、うん……と自己解決。

こんな痛みが一週間も続いたら、仕事も辛い。
一回目でこんなにも蜂毒が強いとわかったら、そりゃあ体だって二回目に備えて対抗措置を過剰に揃えるわ、など納得するくらいに痛いのである。
複合毒と言われ、様々な症状を引き起こす蜂毒――その一つに消化器官への影響というのがある。

まあ簡単に言うと下痢が起きるのだが、そこまでとはいかずともお腹が盛大に反応。
牛乳に弱い自覚はあったが、蜂毒も同類か!?という感じにトイレへ駆け込む羽目に。
走れば刺された足全体が痛くなるが、ごろごろと鳴るお腹を抱えていてはやむをえなかった。

なるほど……毒の回る感覚や影響などの知識を身につけた上、体感もできてしまったぞ、ふふ……などとトイレで苦しみながら、貴重なネタを掴んだことに苦笑いしている始末。

そんな痛みと消化器官の影響を受けつつ、二日目には普通に歩けるくらいには回復していたのである。
つまり今日、普通に歩ける。だが常につりそうな違和感が付きまとい、それが軽い痛みに時折変化するくらいだ。
無事な右足を触って比べれば、左足の方が皮や肉が張り詰めて固くなっているのだ。赤い腫れは引いたが、全体的にふっくらと腫れているらしい。

まあこれくらいなら一週間続いても大丈夫か、と思いつつ母情報の「近くの公園で大量発生しているらしい」ということで、発生源も掴んでしまった。
通勤時によく通る公園なので、少し用心しなくてはいけなくなった。まだ完結していない作品や、書きたいプロット段階のものまであるのだ。まだまだ死ねない。
私の歩く姿を後ろから眺めた母が「足の太さが確かに違う」とまで言うくらいなので、元に戻るまではやはり時間がかかるだろう。

そんな感じでスズメバチに刺された時の実体験とその他諸々でした。
ちなみに書いている最中でも座り方を変えたりしたら痛くなったので、蜂毒のしつこさを思い知っています。
どうやら外で干していた時にズボンの内側に入ったらしく、そのまま動いてなかったところに私が着替えで穿いてしまったのが原因のようです。

ただ父がもう一度刺されるとショックを引き起こす可能性が高かったので、ある意味私が刺されて良かった気がします。
この時期は蜂が最も活発になる季節なので、皆さんも気をつけてください。
マジで痛いです。しかもこの痛み、長引くんです。死人が出る理由がわかるほど痛いです。

では心配してくれた方、最後まで見てくださった方、色んな人に感謝して終わりとします。
いつもありがとうございます。近日中に更新できるよう頑張りますので、よろしくお願いします。
(ちなみに書いている内にいつの間にか日付変わってました……これも怖いですね)

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