「テイルズ・オブ・西野」を読んで下さる皆様。
今春にも最新8巻が発売されました本作の書籍版と、昨年から更新を停止しておりましたウェブ掲載版について、諸々のご連絡となります。既に書籍を手に取って下さっている方には重複した内容となりますが、ご確認頂けたら幸いです。
8巻のあとがきでもご連絡をさせて頂きましたとおり、最新話は8月25日に発売される書籍版でのご提供となる予定です。カクヨム様で「通告」として掲載させて頂いた内容の続きが、そのまま入ってくる運びとなりました。
より具体的には、約4万5千文字ほどのテキストとなります。
ラノベ換算ですと文庫本半分ほどです。
そして、10巻では9巻に続く形で、約20万文字ほどが予定されております。
それはもう分厚い文庫本が、緑のカバーに包まれてのご提供であります。
ライトノベルの売り方としては、かなり変則的な流れかなと存じます。当然ながら、何かしら理由がなければ、このようなことは行われません。こちらをご説明するのに欠かせないキーワードが、「11巻」でございます。
10巻の次の巻でございます。
世の中のライトノベルで、11巻を越えて連載を続けている作品は、それはもう目を引くような売上を残している作品ばかりです。具体的にいうと、アニメ化に際してスポンサー様が付いて下さるような作品、というと早いかもしれません。
シリーズ累計、三桁万部の世界でございます。
私も過去にMF文庫J様から発売されていた作品を調べてみたのですが、11巻以上を継続している作品は、どれもこれも超有名作品ばかりとなります。取り分けここ数年は、その傾向が顕著でございます。
残念ながら西野は現時点で、こちらに及びません。
しかも、そうしたメガヒット作品であっても、大半は12~5巻までには完結しております。このあたりがネット小説から発した新文芸とは異なるところで、作品としてのボリュームが文字通り一桁違っております。
たとえば「田中」は11巻時点、文庫本換算で約26~7冊分となります。
そして、だったら趣味で書けばいじゃない、とはまさにそのとおりです。
数年前までは私もそのように考えておりました。
駄目だったら趣味で書こうと。
しかし、今年に入ってからはほぼ専業状態となり、本業での取り引きもすべて停止の上、来年以降も何かしら予定が詰まりつつある状況でして、一つのシリーズを趣味として継続していく余裕がございません。
そうした背景も手伝ってのご連絡となります。
自身も「西野」はとても気に入っている作品でして、可能であれば長らく続けていきたく存じます。担当編集O様からも、書籍化に際してお声がけを頂戴した当初、本作を長く続けて欲しい、と言われたことを覚えております。
事実として10巻以降についても、ご検討して頂けておりますこと、本当にありがとうございます。これは非常に稀有な出来事となりまして、MF文庫J編集部の皆様には深くお礼申し上げたく存じます。
その結果としてウェブ掲載版における、「書籍版に続く」となります。
9巻の発売に先立っては、MF文庫J様から「MF文庫J夏フェス」と題してセールが行われています。他所様の作品は最新巻を除いてのセールとなりますが、本作は最新巻(8巻)まで、既刊すべてがセール価格でのご提供となります(ただし、電子書籍のみです)。
その理由もひとえに11巻の壁を超える為でございます。
長くなりましたが、続く9巻、是非お手に取って頂けたら幸いです。
9~10巻の売り上げが、本作の今後を決める分水嶺となります。
どうか何卒、「テイルズ・オブ・西野」をよろしくお願いいたします。
追伸:
ここ最近、「西野」と併せて音沙汰のない「佐々木(仮)」ですが、こちらは順調に書籍化作業が進んでおります。皆様があっと驚くようなイラストレーター様にご協力を頂きまして、様々な施策と共に1巻をお届けさせて頂く予定でございます。どうかもうしばらくお待ち頂けたら嬉しく存じます。