いつも応援いただきありがとうございます!
溺愛コン参加作品『死に戻り刃物姫の研ぎ直し』が、本日無事完結いたしました!
地獄の第一章からは想像できないほどのハッピー大団円まで読了頂き、感無量です。応援してくださった皆様、本当にありがとうございました~!(´;ω;`)✨
今回も6万字ピタリ賞です!
コンテスト参加にあたり「溺愛ってなんぞや」と、ずっと考えていて。
盲目的な愛? 過剰な愛? 変態スレスレの愛?? などなど。
そこで私が重要視したのは「溺愛されるべき理由」です。
「愛されるのに資格は必要ありませんが、愛される理由は必要です」と心の中のねねこ・くらいんが言っています(ガン種自由の見すぎ)
溺愛のタグが付いている作品タイトルにざっと目を通してみたのですが、「〇〇なのに”なぜか”溺愛されています」という趣旨の作品が多い印象でした。
無意識・不可抗力・無条件に溺愛される非日常への憧憬を感じます。でもどの作品にだって「ヒロインが愛されるべき理由」があるはずなんです。
容姿が優れていたり、器量が良かったり、超強い力を持っていたり、何かを頑張っていたり、小さい頃にヒーローを助けたみたいなエピソードがあったり。一目惚れにしろ、そういう明確な理由がないと、急に嘘っぽく思えませんか?
そこでアイシャちゃんには、ウルトラハードモードの人生を歩んでもらうことにしました。
この選択が正しかったのか、正直自信はありません。昨今はストレスフリーで楽しめる作品が求められているようですし、無条件な溺愛を求めている読者様にとって、特に第一章は苦行でしょう。書きながら「異世界恋愛、だよな……?」と、自分でも首をひねるほどの殺伐具合でした。ルーカスパパの首が落ちてから読者様が脱落していくのがPVで読み取れるのも納得です。
だけどそこで誰かに助けてもらうのではなく、アイシャちゃんは自分で剣を取って立ち向かいました。
アイシャちゃんが南部制圧に乗り出したからシオン様はトライノーツに渡ってパイプを作れたし、白桜騎士団の没落も防ぐことができて、フォートン家も力を貸してくれた。ただ無条件に溺愛されるだけのか弱いヒロインでは成し遂げられなかったであろうことを自分の力で成し遂げたからこそ、アイシャちゃんがシオン様や家臣たちから溺愛されることへの多幸感をより強く感じていただけるんじゃないかと思っています。
あと単純に、物理的に強い女の子が好きです。
普段は凛としていて強い女の子がヒーローに愛されてふにゃふにゃになっている姿からしか得られない栄養があるのです(力説)
それと掛け合わせたのが、圧力鍋にかけたシオン様の純愛です。
「闇落ち寸前の過剰な溺愛」というコンテストテーマを見た時、どうしても犯罪行為しか浮かばなくて😇💦
ストーカーとか、監禁とか、薬漬けとか。「愛があればいい」ってもんじゃないでしょ、それ。あとたぶんコンテストで求められてる溺愛と違う()
とにかく砂糖たっぷり虫歯不可避のクソデカ感情なんだろうなと。消費エネルギーがデカそうなので、これも「溺愛する理由」がちゃんとないと、ヒーローがただのヤバイ男になってしまう。
あと、異世界恋愛愛読者の知人から教えてもらったのは「自分を冷遇していた相手から溺愛される場合、読者からヒーローへ向けられたヘイト解消が不十分だと物語に集中できなくなる」ということ。
たたたた、確かに……! これはますます「溺愛する理由」を突き詰めなければならないと震えました。
今回の溺愛コンの肝はたぶん、ヒロインではなく溺愛ヒーローの方なんだと思ってます。
愛が偏ってたり重すぎるのを「そういう性格なんで」の一言で済ませてしまうのは、もったいない。
シオン様はなぜアイシャちゃんを溺愛するのか。
なぜなぜなぜなぜ……と一日中悶々と考えすぎてお腹が減って、急激にポテチが食べたくなりました。そして空腹で食べるポテチは満腹で食べるポテチと比べて格別に美味しい。
そう、抑圧された欲望が解放された時こそ、感性が最大値になるのです。
”愛してたのに愛せなかった” ”愛せないまま好きな人が殺されてしまった”
この抑圧されすぎた一度目の人生が、180度手のひらくるりな溺愛ヒーローを作り出してくれました。
まさに圧力鍋にかけられてグツグツに煮えたぎった純愛。死に戻って色んなしがらみから吹っ切れたノーブレーキフルスロットル溺愛男の誕生です。もうシオン様は誰にも止められません()
こんな風にロジックで詰めた溺愛作品(自称)が編集部様にどのように受け取られるのか、今からとても怖い。
「サクサク読める明るく楽しい溺愛作品を求めていました!✨」と言われてしまえば、カタルシス大好きドM作者はもうぐうの音も出ません……。
だけどまだまだ物語は途中です。
・死に戻りの理由
・時期聖下の座の行方
・一度目の人生でロザリアを使い暗躍していたメーヴェの謎
などなど、多くの要素を残しています。
実は初稿で72,000字あったのですが、用意していたエピソードはそのままに60,000字まで削ったり。それによって出番を見送ったキャラクターや書き込みきれなかったサイドキャラたちがたくさん! 特にロイさんとテンくんはもっと掘り下げたかった。コンテストの文字数が憎い……!
ですがご安心ください! 最初から長編化を想定していたので、選考が終わり次第続きを公開できるよう、少しずつ準備を進めていきます。
次は文字数を気にせず好きなように書けると思うと、楽しみの方が大きいです。シオン様の暴走がますます加速しそうな予感(;^ω^)
コンテストの結果はどうあれ、自分が思う溺愛と自分が好きな要素を詰め込んだ刃物姫が、一人でも多くの方に届いてくれたら嬉しく思います。
長編化した際も、ぜひ引き続きよろしくお願いいたします!🔪✨
ここまでお読みいただき、本当に本当にありがとうございました!!
最後に、作品リンクを。
『死に戻り刃物姫の研ぎ直し~愛されなかったから剣を取ったのに元婚約者から溺愛されてます~』
https://kakuyomu.jp/works/16818093078803429583