どうもこんばんは。川中島ケイです。
本日、13話目公開を持ちまして短編『2代目の相棒は最強の竜でした』が完結致しました。読んでくださった方、ありがとうございます。
ここをどれだけの方が見てくれるのかは分かりませんが、あとがきに代えてこの物語にまつわる元ネタなどを。
この作品を書いたきっかけは年末に、『小説家になろう』の方でしろ卯様のエッセイ「ペットロスで苦しむ人に知ってほしいこと」という作品を読んで、先代のうちの相棒の事や今の相棒との出会いの事を思い出してすごく感銘を受け、今のこの気持ちを創作とはいえ形として記しておきたかった、そういう想いが強く湧いてきたのが始まりでした。
こちらのエッセイはペットロスに限らず今現在ペットと共に暮らしていて漠然といつか来る別れを頭の隅に置きながらも過ごしてるって人にも是非読んで欲しい内容ですのでおススメです。(カクヨムの方には無いようですが…)
それで、ウチの話に戻しますが……我が家には2代目で今年で8歳になるうさ様が居ます。今ちょうど目の前でへにょ~んと伸びていますね(笑)
その彼と出会う前の先代のうさ様は10年生きて寿命を迎えました。うさぎの平均寿命が9年程度と言われているからよく頑張って生きてくれた方だと思います。
彼が亡くなった8年前、私はそれはもうとてつもない落ち込み方でした。何しろ彼は社会人として生きていく上で一番しんどかった時期を一緒に居てくれた唯一の存在でしたから。本当に自分の半身を引きちぎられるような苦しみだったのを今でも覚えています。それがまさに今作の第二話の部分の描写です。
それからしばらくは放心状態で過ごしていたのですが、どういうわけだか足は勝手にペットショップのうさぎコーナーに向かってしまうんですね。こんな所にあの子が居るハズも無いのに……と思いながらも。もし仮に似たような子が居たとしても迎え入れる準備も無いのに、と思いながらも。
そんな事を繰り返して3カ月が経った頃偶然、普段は行く機会のない少し離れた街の閉店間際のペットコーナーで、先代に毛色も顔付きも本当によく似た子に巡り合うんですね。しかもソイツがこちらの姿を見るなり走って寄ってくる。これはもう……運命だなと錯覚してしまうわけです(笑)コレが2代目との出会い。
それで飼い主ももちろん急に連れてこられた子ウサギもオズオズと新たな生活を始めるわけですが此処で問題が発生します! なんかこの子、歩様がおかしい!!
先代がお世話になっていた獣医師の先生に診てもらったところ、先天的に股関節の形成不全があって将来、後ろ足が全く動かなくなって数年で死んでしまう可能性がある、と言われてしまうのです! その事をペットショップに相談したら返品でも構いません、との事で……
これにはものすごく迷いました。返品したらこの子はどうなるんだろう?でも寿命を迎えずに亡くなるのを見届けるのは耐えられないし……やっと先代に代わるぐらいの子に巡り合えたのになんて残酷な現実なのか、と。
数日眠れないぐらい迷った後、獣医師さんの「成長して大丈夫になる可能性もゼロではない」というのと「うさぎの事をよく知って大切にしてくれる〇〇さん(私の苗字)だからこそ、この子はあなたの元に来たのかもしれないって僕は思いますけどね」という言葉が決め手で、一緒に居る事を決めました!
毎日空き時間にうさぎの病気の事や骨格の事、うさぎに出来るマッサージなんかを調べて、抱っこでじーっとさせられているのを嫌がられながらも毎日足マッサージを何十分も繰り返し……そんな日々を繰り返しながら成長すること半年。レントゲンを撮ると形成不全だった股関節はちゃんと奇麗な形で成長し、今も足の不自由などなく元気に走り回っています。
すごく長ーくなってしまいましたが、私のそんなうさぎに対する愛情の全てをこの作品に籠めました。これだけの愛情を注いでいる彼とも遠くない将来である数年後には、お別れの時は来る。それが空想の中だけだとしてもずっと続いてくれるなら良い。現実には叶わないのだけど、そんな願いも添えて。
我ながら荒唐無稽な話かもしれないとは思うし、表現しきるための文章力も足りていないけれど、それでも一生懸命気持ちを込めて描き切りました。多くの方の目に触れるものでは無くても、誰か一人にでも心に残る作品と思っていただけたら本当に幸せです。
最後に最終話『限りない想いを限りある時間の中で』というタイトルは、今は解散してしまったピアノヴォーカル率いるトリオバンド、WEAVERの「Beloved」という曲の歌詞からお借りしました。マイナーですが私が今もとても大好きなバンドで、恋愛に限らず家族への愛・大切なものへの愛、そういう全てに当て嵌められる個人的には10年経っても色褪せず心にある名曲です。勝手にこの作品のエンディングテーマとして脳内にある曲ですので良かったら聞いてみていただければ嬉しいです。
それでは、また拙作をどうかよろしくお願いします。
2024年1月28日、うさぎ駆けまわるマイルームより