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作品解説3―21世紀後半のテクノロジー考察

自称美少女作家(笑)悠月奏です(←誰も突っ込んでくれないのでそろそろやめようかな??笑)

今日は作品中に出てくるさまざまなテクノロジー水準について考察してみますね!

SFを書くにあたって一番楽しいのが、物語の背景となる世界観、そしてテクノロジーの構築。この作品は今から60年くらい先の近未来を描いていますから、現在の技術水準からあまりにもかけ離れているとリアリティがないですし、そうかといって「ただ性能が良くなっただけの」乗り物とか道具とかばかりでもつまらないわけです。

そこで参考になるのが今から60年前。つまり「過去」ですね。
1960年前後なんて私もまだ生まれてませんし、当時どんな雰囲気だったか正確には分かりませんが、それに近い時代を描写した有名な映画がありました。
そう『ALWAYS―3丁目の夕日―』です。ちょうど東京オリンピックが開催される少し前の頃の「昭和の日本」が活き活きと描かれています。新幹線(0系)が開業したのもこの頃ですね。
……ということでこの映画ご存知の方はぜひ思い返してみてください。

どうですか? 今とそんなに変わらないと思いませんか?
――つまり、あの頃からもう60年も経ちましたが、現在日本では自動車は空飛んでないし、宇宙旅行は実現していないし、町ゆく人は別に全身タイツみたいな服着てません(笑)
もちろん厳密に言うと、空飛ぶ自動車(←フワッと浮かぶのではなく折り畳んでいた翼を広げてプロペラが回り出すダサい感じのヤツ笑)が発売されたり、月に行こうなんて言ってる某ベンチャー社長さんがいたりしますが、それはあくまでアトラクションの世界。私たちの日常生活の中で一般化しているわけではありません。

いっぽうで、60年前では考えられなかったスマホとかスパコンとか映像技術、あとサイバネティクスなどはすっごく進化しています。
あ、あと街並みは全体的に高くなりましたかね……

さて、そう考えると今から60年先の近未来。言うほどテクノロジーは劇的に進歩していないような気がします。
多分60年先も、自動車は空飛んでないと思います。飛行機は飛行機だし、船は相変わらず船だと思います。宇宙旅行だって、何億円も払えるお金持ちだけがせいぜい数分間の無重力を楽しむ程度。新幹線は「2000系」くらいにはなってるかもしれませんけどね笑
※そもそも「宇宙」は今や「第5の戦場」です(陸海空+サイバー空間+宇宙空間)。そんなところにのこのこ民間が旅行させてもらえるわけないというね。

多分、劇的に進化しているのは、そういうヘビーデューティーな分野ではなくて「人間の身の回り」に関することだと悠月は思います。
かつて昭和の少年たちは「テレビ電話」みたいなモノを想像して胸躍らせたと思いますが、今ではスマホが当たり前になっているし、タッチ操作の画面とか、VRゲームとか、当時のSF少年が見たらマジぱねぇっす状態でしょうね。

だからこの作品「ゲノムの聖痕」では、乗り物や兵器の形状はなるべく現代テクノロジーの延長線上で描いています。
たとえばオメガ実験小隊が運用している「強襲降下艇」は、現代のオスプレイとブラックホークを足して二で割ったような雰囲気です。もっとも推進機関は「内燃機関」から「電磁推進」あるいは「イオンドライブ」になっていますけど(これについてはちゃんと屁理屈があるので次の機会に考察しますね)。
いっぽうで、特にマン・マシン・インターフェースのジャンルは相当進化したものとして描写しています。
たとえば目標照準は眼球運動のみで行えたり、思考ログを電気信号として抽出できてしまったり、人体器官を人工的なものと入れ替えたりするのが当たり前、という世界です。

「2045年問題」というのを皆さんご存知だと思います。つまり、AIがついに人間の知能を超えるという例のシンギュラリティ(技術的特異点)のお話です。
これに関しては、作品でも「当然起こりうること」として世界観の中に組み込んであります(描写できるかどうか分かりませんが)。
実は作中にチラッと「~月面基地でも使われて云々」という描写があるのですが、この世界では既に日米が月面基地を運用している、ということになっていて、そこでは戦闘ドロイドが一回クラッキングを受けて反乱を起こしたことがある、というサイドストーリーを勝手に作っていたりします笑
その結果(反省)として、戦場ではあまりAI(ドロイド)や無人機(ドローン)に頼らないよう、生身の人間が兵士として活躍している世界を作っているわけです。

SFでは、よく自律ロボットが人間相手に戦争しているお話がありますが、この作品の場合、一周回ってやっぱり「人間が戦場の主役」、ということになっているわけです。

ということで、好きな話をしているとやっぱりキリがないですね♡
次回は主に軍事テクノロジーの考察をしてみたいと思います!

今回はこの辺で失礼しますっ!

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