偉大なる獅子、三千年に及ぶ治世を施したるヴィヴェルニアン・クファンジャルヌ大帝の御許、花冠をかむった一人の紅顔を装う若き詩人がいた。 竪琴にまつわる、詩人を破滅させた宇宙的恐怖と…

一二八年前、一八九〇年。八月二十日。 プロヴィデンスで生を受けたときには実存しなかった物語たち。 今や世界は満たされている。ラヴクラフトによって。 あらん限りの全力で書いた。…

稀代の文通魔はとある淑女と出会った。アウトサイダーとして播種した結果、世界がどうしようもない変質化に脅かされていることを知らされる。 暴走する神話。新たに生まれし神性。下天あるい…

余は思ふ。生れ落ちたとき既に、余は此の屋敷に居たのだと。 遊園地。拝金原理主義のオーナーにより閉鎖が定められた恐怖の館。落胆する怪物製造人と時代遅れのしもべたち。閉鎖後のホラーパ…

「取り返しのつかない致死毒があなたの若いニューロンを痛んだもやしのようにどろどろに腐食させてしまうの」 マリエールの母親は学校の図書室に娘が訪問するのに難色を示していた。 ある日…

花房は引っ越してきた町の猫族の長ゴッフに連れられて集会所デビューすることになった。その為には入会儀式として肝試しをしなくてはならないのだという。その鏡にまつわるのは宇宙的恐怖。 …