夜桜の 雨に濡れたる幹の黒
舞い飛び散るは 花びらの白
夜桜の 雨に打たれて飛ぶ花の
乱舞も艶美 静寂のなか
今日は仕事帰りに夜桜参りを致しました。日頃の悪行が祟り、生憎の雨。駅を降りたときには殆んど降っていなかったのに、公園についたらどしゃ降りで。木花咲耶姫さまは、ちょっと意地悪でございます。
しかし。
雨の夜桜なんて初めてですが、その美しさといったら…
激しい雨に打たれて散る花びらが、光に煌めきざあざあと舞い上がります。
濡れた幹や枝はぬらぬらと黒光りして。
打たれつつ、甘い吐息と汗を流して舞う乙女。
それを。むんずと抱き締める黒い腕。
妖しいまでの美しさを魅せ付けられたのでございます。
さてそろそろ帰るかと歩き出しますと、ぱたりと雨は止み。花弁の乱舞も御仕舞いに。
…木花咲耶姫さまは、悪戯好きのご様子。
誰もいない公園に、ふらふら訪れた間抜け面をついついからかいたくなったのでしょう。
その妖艶。
間抜け面君は言葉もでなかったようですよ。
皆様の町は、桜、如何でしょうか?