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「不信頼な回転体」執筆終了に伴う後書きと言い訳

本作もなんとか完結に漕ぎつけられました。諸般の事情で一瞬エタりかけたりしましたが、まあ、当初の物語の構想通りの結末に収束させることが辛うじて出来ました。

本作の構想自体は平成30年の9月頃に思い付きました。つまり前作の連載中に思いついた訳です。前作も片付いていないのに何やってんだお前はという話ですね。
前作は百合ん百合んさせたかったり、人間的に脆いタイプの工作員を書きたいという欲望詰め合わせセットでしたが、続編はなんとなく真っ当なものを書いてみようかなと思って構想を練りました。
舞台が日本オンリーになったので、今作には前作ほど特殊な装備は登場しませんでした。というか、登場の余地はほとんどなかったです。

さて、今度は物語の根底に「ハニートラップ」というものがありましたが、実際に書いてみるとハニートラップは「弱みを握る」という設定として便利すぎるな、という感想を持つに至りました。
まあ、事実は小説より奇なりとでも言いますか、実際に「上海領事館員自殺事件」なんてハニートラップによる事件が平成16年には起きてますし。

尤も、本作では対象がハニートラップをすんでのところで回避したりしたので、その効果を全量発揮するには至りませんでしたが。
そのハニートラップ自体もかなり強引な方法を本作では描写しましたが、多分現実にはあそこまで強引な手法は採用されていないかと思います。
ついでに、本物の佐久間みたいな偽彼女での防衛という頭の悪い方法も採用されてないとは思います。
が、正直なところ、私はそうした国家機密を取り扱うどころか中小企業の産業スパイすら経験したことがないのでもしかしたら嘘みたいな方法で情報を引き出した事例はあるかもしれません。まあ、対象によっては一見頭の悪い方法がこの上なく作用することだってあり得るので、一概にどうとは分かりません。
所謂、「可能性は否定できない」というふんわりした表現に落ち着くのかなあ、と。

で、物語の舞台についてですが、今回は舞台が習志野の第1空挺団を中心にした範囲に集中させざるを得なかったので、小村たちの活動拠点も関東南部にあるという設定にせざるを得なくなりました。正直漠然としていた架空の地域にしていたんですが、今回でその辺の設定が固まったかな、と。
私の人生において、度々関東には遊びに行くことがあったので、私の中での関東地方、というかは首都近傍像がそっくりそのまま反映された形になります。主戦場となった上野や亀戸の描写がやけに細かかったりしたのは私の趣味です。上野はミリオタ的聖地かつ酒飲みにとっては嬉しい土地であることと、亀戸に関しては「するめいか」という作品の影響です。まあ、それなら浅草でも良かったとは思いますが、ちょっと浅草は立ち回るのに不便かな、と思って今回パスしました。
そのために習志野所属の目標出水3尉と上野、亀戸の位置関係から埴生3尉の所属を神奈川の座間駐屯地にしたりした、という背景があります。

本作については酒に関する描写がちょくちょく出てきたかと思いますが、アレも私の趣味です。成人済のアル中キャラが居れば酒を登場させやすいな、と思ったのも佐久間美幸というキャラクターが誕生した経緯だったりします。

また、前作では鷹取が割とぼんやりとしたキャラクターでしたが、今作で概ねどんなキャラクターか固まり始めてきました。基本的に運の悪い男です。被害担当艦みたいなもんです。
あと、作中で一瞬言及したマムシラーメンとは、九州の大隅方面、というよりは主として鹿屋周辺で40年ほど前に存在した幻のラーメンのようです。名前の通り、マムシの入ったラーメンで、ゲテモノ料理に分類されるものの、非常に精の付く料理の一種だそうです。
過去に鹿屋市内にある「味の一丁目」という中華料理店に行ったときに、そこの店主と話をしたら、かつてメニューに並べていたそうですが「見た目の問題と「なんかかわいそう」という意見から今はやってない」という聞き取りが出来ました。まあ、その話聞くまでそんなゲテモノ料理がこの世に存在したとは知りませんでしたが。
なおこのマムシラーメン、精が付きすぎるらしく「夕飯に食ったら目が冴えて夜寝られなくなった」というようなこともあったそうです。

一通りメタい話をしたところで、今回はこの話を締めたいと思います。
次回作は一応頭の方は浮かんでますが、オチの付け方というか、話の大まかな構想が決まってないので、執筆開始をするかは怪しいですし、やるとしてもかなり遅れることが予想されます。
もしも次回作を書き始めたとしたら、引き続きお付き合い頂けますと幸いです。
それではこの辺で。

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