前回の続き。
こうしてわたしとO氏はたまにやり取りをしつつ、執筆に励んでいきます。
職人肌のO氏は自作をもくもくと。
移り気なわたしは、自身の作品が読まれないウップンをエッセイで発散したりしておりました。
エッセイとはいいものですね。
書いていると不思議と執筆仲間みたいなものができるようになります。
感想をくれた相手の作品を読む。そして感想を残すと、極めて低確率ですが自身の長編作品を読んでもらえるときがあります。
こうして交流が始まるのです。
やがてなんとな~く、グループみたいなものができるようになります。
とはいえわたしの性格もあるのでしょう、一般的にクラスタと呼ばれるものには発展しませんでした。
※このころは執筆仲間といえども、普通に評価6とかつけていた(最大10)。
わたしの活動報告からO氏を知り、作品を読む人がいる。O氏もその人の作品を読む。
とうぜんわたしもO氏の活動報告から書き手を知る。
次第に境界はあいまいになり、それぞれ気に入った人とゆる~く交流するようになります。
このころからでしょうか?
わたしは文章を褒められることが増えてまいりました。
嬉しかったです。
そもそも、なろうの文章が気に入らなくて書き始めたのですから。
ですが、これはリップサービスです。作品を褒めるとき文章を褒めるのが一番簡単ですから。
本当にうまいひとは、読み手に上手だと感じさせないものです。
あまりに淀みなく文章をつむいでいくものですから、簡単に見えてしまうんですよね。
内容に集中してしまい、うまいと思うひまがなかったりもします。
当時のわたしにはそのような視点はありませんでした。
愚かにも褒められて、いい気になっておりました。
そんなとき、ひとりの執筆仲間からある言葉をいただきます。
「Oさんてウツロさんの影響をちょっと受けてますよね」
「……はい?」
「このあたりの表現なんかちょっと似てると思うんですよ」
「……」
すいません、ボクがマネしたんです。
どうやらレイアウトだけでなく、表現技法もパクっていたようだ。
しかし、耳もとで悪魔がささやきます。
「同意しちゃえよ。マネされてますって」
いやそれは……
「書籍化作家のO氏はワシが育てた。そう言いたいだろ?」
言いたいです。めっちゃ。
ですが、そのようなウソはプライドが許しません。
案の定、反対側の耳もとで天使がささやきます。
「マネされて困ってます! ちゃんとそこまで言わないと」
天使はまぼろしでした。
「いや、実はですね」
執筆仲間には、影響を受けたのは自分だと話します。
「ほら、掲載日時を見てください。O氏さんの方が先に公開しています」
「ほんとだ」
悪魔どものささやきに見事わたしは打ち勝ったのです。
こうして活動を続けるわたしとO氏ですが、ポイントの方は鳴かず飛ばずでした。
猟犬クリフは200ポイントぐらい。わたしの作品に至っては30ぐらいです。
「なぜだ? こんなに面白いのに!!」
自分の作品だけならまだ納得がいきます。
誰でも自作品は面白いと思うもの。親のひいき目で見れば傑作だと感じて当然でしょう。
しかし、O氏の作品ですらこのポイントなのです。
「絶対に、絶対に間違っている!!」
どうにも納得いかない私は、策をこうじます。
名付けて猟犬クリフに光を当てようプロジェクト。
名前はいまテキトーに考えました。
とにかく注目さえ浴びれば光が差すと確信していたのです。
とはいえ不正は絶対にしたくない。
そこで、わたしがとった行動とは!!
次回、プロジェクトの内容は限定記事でお話ししたいと思います!!
すまんな。