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執筆家ウツロ誕生秘話

 本日はご来場ありがとうございます。
 こたびは天気にも恵まれまして、格好の近況ノート日和になりました。

 さて、今回の議題は、わたしが何故小説を書くことになったかです。
 まったくもって興味ないかもしれませんが、耳の穴をかっぽじってご清聴いただくよう、よろしくお願い申し上げます。

 わたしはなろうで執筆する前は読専でございました。
 もちろん、アカウントなど作らず、完全タダ読みでございます。
 それなりの数の作品を読んできました。
 記憶に残っているのは「無職転生」「異世界アンコウ」「骸骨騎士様、只今異世界へお出掛け中」「魔ぬけのFPS」「なんか陶芸のやつ」。
 後半はもうタイトルがあやふやですが、これらの作品をキャッキャキャッキャ言いながら読んでました。

 ですが、徐々に不満がでてきます。
「なかなか面白い作品に出合えなくなってきた。なろうは自分に合った作品が少ないなあ」そんな不満です。
 まるで、駄々っ子のような感じではありますが、当時のウツロ君はそんな感情でございました。

『好みが合わない』
 というのも、わたくし趣味がニッチでございまして、ファンタジー好きにも関わらず子供むけすぎるのもイヤだという壮絶困ったちゃんなのです。
 特に文章ですね。WEB小説でありがちな文体がどうにも好きになれなかった。
 そのあたりを考慮すると、読む作品が極端に減る。しかも、時間とともになろうという土壌そのものが、それに傾いていくといった具合で、たいそう困っておりました。

 そこで、一大決心。
 ただ、バカ面さらしてエサを待つヒナから、みずからエサを取りに行く一人前のトリになろうとしたのです。
 そうしてアカウントを作成。さっそく執筆作業へと乗り出しました。

 ――ところがです。
 これまで文章など書いたことがありません。
 読書もあんまり好きではありませんでした。
 わたくしは国語の教科書も肖像画にはラクガキをし、下の余白にはパラパラ漫画を描くような少年だったのです。

 そこで、既存の作品を参考にすることにしました。
 そして、手にとったのが三冊。
 星新一の悪魔のいる天国、ダンブラウンのダビンチコード、スティーブジャクソンのソーサリーです。

 なんということでしょう。三つのうち二つが翻訳本。
 こうして文章ゴリゴリの作者ウツロが誕生したのです。

 そもそも、わたくしは地の文大好きっ子です。というかセリフがあんまり好きではありませんでした。
 子供のころ赤川次郎が読みやすいよと勧められ、読んだ瞬間窓から投げ捨てたぐらいの漢です。
 とうぜんの成り行きとも言えるでしょう。

 そうして、文章力を得たウツロは、ついに執筆……とはいきませんでした。

 なぜなら、わたくし読み専歴がそれなりにありました(数か月)。
 普通の小説の書き方ではWEBでは通用しないとすでに知っていたのです。

 もう天才執筆家の鱗片を見せ始めています。末恐ろしいとはこのことでしょう。
 こんどはWEBで読みやすいレイアウトを学ぼうと、なろうを漁ります。

 そして、なんと!
 運命の出会いを果たします。
 のちに書籍化作家となったO氏との出会いです。

 と、文字数が多くなってきたところで終わり。
 続きは次回。

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