📕「飯屋のせがれ、魔術師になる。」
(「第4回一二三書房WEB小説大賞/コミカライズ賞(コミックポルカ)」受賞)
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346+++++
🎬「ハリウッドよ、これが異世界ファンタジーだ!」✨
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📖「第611話 だったらそれを目指したまえ。」
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346/episodes/16818093087055038091📄「すべては生まれつき決まっているということか。わたしの努力は無駄だった」
ドリーは拳を握り締めた。
「それもまた愚かな発言だね。先天的な特質差などどこにでもある。背が低く生まれたことを絶望しても仕方ないと思うがね?」
馬鹿々々しいと、ドイルは肩をすくめた。
「あなたにとってはどうでも良いことだろう。だが、わたしにとっては生涯の目標だったんだ!」
ドリーは唾を飛ばして、言い返した。
「だとすると、目標設定を間違えていたということだね」
「簡単に言ってくれる」
噛みつくようなドリーの視線を受けても、ドイルの態度は変わらない。むしろ面白がっているようにさえ見えた。
「君は『双子に生まれたい』という目標を立てていたわけだ。それは無理筋だとわかるだろう?」
「……」
おちょくるようなドイルの言い方に、ドリーの眼に怒りの炎が揺らめく。
「ならば、目標を修正するべきだろう。君が考える上級魔術師とはそもそも何なのだ?」
「上級魔術師とは――魔術師の最高峰だ!」
「だったらそれを目指したまえ。実に簡単な話だ」
ドイルは真剣だ。本気でそう考えていた。
彼自身がそうやって生きてきたのだ。
選んだ道が行き止まりだった。信じた人に裏切られた。取り返しのつかない過ちを犯した。
それがどうした。そこで歩みを止めるのか?
道を変えればいい。踏み越えればいい。やり直せばいい。
当たり前のこと。それだけの話だ。……
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お楽しみください。🙏😊