📕「飯屋のせがれ、魔術師になる。」
(第4回一二三書房WEB小説大賞/コミカライズ賞(コミックポルカ)」受賞!🎉✨)
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346📖「第573話 り、料理と比較するか……。」
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346/episodes/16818093081633520904+++++
📄「おかげで属性魔力の引き出し方と、術の授け方がわかりました。マランツ先生に暗示をかけてもらえば、生徒の習得が早くなりそうです」
ステファノはどの段階でどのような誘導をしてほしいか、マランツとの役割分担を詳細に練り上げた。
「お前が編み出した生活魔法は、これまでの生活魔術とは似て非なるものじゃな」
「利用する因果はほぼ似たようなものですけどね」
一言で言って従来の生活魔術は単純な現象を呼び出すに過ぎなかった。
種火の術では小さな火をともす。|微風《そよかぜ》の術では弱い風を吹かせる。清水の術では少量の水を作り出す。
そういうシンプルな術だ。
便利ではあるが、魔術が使えなくともその程度のことは普通にできる。初級魔術師が冷遇されるのはそのためだった。
「生活魔法とは『結果』をもたらすものなんじゃな?」
マランツから見ると、洗浄魔法は衣類をきれいにするという結果を、掃除魔法はゴミを取り除くという結果をもたらす。風が吹くという「現象」を目的とする魔術とは、目指す方向がまったく違っていた。
「そうですね。こうしたいなという願望から作り上げた術式なので、それが反映されているかもしれません」
ステファノは事もなげに言った。
(こいつはそれがどれ程の偉業であるか、わかっているのか?)
自分が求める結果を導くために術式を練り上げる。それは、一流の魔術師たちが人生をかけて取り組むべき課題であった。
「誰かに言われましたね。術式を作り上げるのは、俺にとって料理のレシピ作りと同じなのかもしれません」
「り、料理と比較するか……。確かに似ているのかもしれんが……」……
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お楽しみください。🙏😊