📕「飯屋のせがれ、魔術師になる。」
📖第538話 次の世代に宝を引き継げるとは、幸せなことだな。
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https://kakuyomu.jp/works/16816927863114551346/episodes/16818093076641387055📄ネオン師の指示で流木を集め、ステファノは簡単ないかだを作った。その上に2人がかりで|牡鹿《おじか》の死体を載せ、森で調達したツタで縛りつける。
いかだを水に浮かべ、川の両側からロープを引けば、流れに任せて牡鹿を運ぶことができる。
森で生きる者の知恵だった。
土魔法を使えば重さをなくして牡鹿を運ぶことができたが、ステファノはあえてそうしなかった。
ネオン師の言葉ではないが、それでは楽をし過ぎると思ったのだ。
魔法を自由に使えば、|礫《つぶて》に頼らなくとも狩りはできた。水に浮かぶ鳥も狩り取れるし、上空を飛ぶ鳥でさえ狙い撃てる。
しかし、山に入った目的は獲物ではない。礫術の修業が狩りを兼ねているだけだ。
周囲を警戒しながら沢を下る。それも貴重な修練だ。
生きるために、糧にするために生き物を狩る。楽しみのためではない。「必要な仕事」だった。
ステファノは料理人の端くれだ。今でも自分のことをそう思っていた。
魚をさばき、肉を切ってきた。生き物を食材にするには、彼らを狩る人間が必要だ。その事実から目を背けることはできない。
それが食べることであり、生きるということだとステファノは思っている。
そうであれば、せめて生き物の命を無駄にすまい。それがステファノの信念だった。
食材を大切にするだけでなく、狩りの経験すらも貴重なものとして吸収するべきだ。経験から学び、その知恵をおのれの血肉に変えようとステファノは思った。
学びの場所はアカデミーだけではない。森の中にも学びがあるのだった。
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📕「飯屋のせがれ、魔術師になる。」
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