待てよ。
「俺が、わざわざ下着チェックをしなくても、彼女たちに伝えて、自分たちの下着を見てもらえばいいんじゃないか!」
ハハハ。
問題解決だ。
はぁーー良かったぁ。
『それはできない』
「なんで?」
『爆裂虫は宿主と連動している』
「連動?」
『下着に付着した瞬間から宿主のマナを吸い取るのだが、その時に宿主の感情を察知するようになるのだ』
「それと、俺が下着チャックしなければいけないこととどう関係があるんだよ?」
『爆裂虫は駆除を嫌がる。宿主が疑心暗鬼になれば、その感情を察して……』
「まさか、爆発するのか?」
『そうだ』
「……厄介だな」
つまり、そうなると……。
「これは彼女らに、爆裂虫のことを知られないように実施しなければいけないってことか」
『そうなるな』
やれやれ。
まいったなぁ……。
常識人を気取るわけではないが、変態にはなりたくない。
弟子のマンティスに協力を仰ぎたいが、こんな変態的なことを知られるのは嫌すぎる。
爆裂虫は小さなモンスターだし、俺だけで内密に処理しよう。
俺はマンティスに小さな用事を頼んだ。
「わかりました! 直ぐに処理して戻ってまいります」
「あ、いや、ゆっくりでいい……」
「どうしたのですか、師匠? 顔色が悪いようですが?」
ああ、俺のことを師匠と呼ぶのは辞めてくれ。
今の俺はそんな身分とは程遠いことをしようとしているんだ。
「と、とにかく頼むよ」
「わかりました!」
マンティスは去った。
「よし……」
ゴクリ……。
お、女湯の更衣室に入るぞ……。