*このお話は後日談です。
本編の最終回を読んでからお読みください。
プールの建設が進む。
そんな中、俺たちはピクニックに来ていた。
ーーソンナ草原ーー
「わは! てんてー見て見てぇ。凄く大きなお花見つけたよぉ!」
ミィが見つけたのは3メートルを超える大きな花だった。
みんなはその花の周りに集まる。
ドラゴンが声を出した。
『マスター。あれは爆裂花だ』
何ぃ!?
花に触れると爆発する危険植物か!
「ミィ、ダメだ!」
と、俺の言葉は遅かった。
ミィはその花に触れてしまう。
「凄い大きなお花ぁ♡」
「危ない!」
ボガァアアアアアアアンッ!!
爆裂花は爆発。
周囲10メートルを吹っ飛ばした。
しかし、俺は打撃軽減防御魔法ディフェンスを使ってみんなを爆風から守った。
「てんてーありがとう」
「先生がいて助かりましたわ」
「んもう。ミィったら危ないんだからぁ」
「えへへ。ごめんね」
秘書のルゥナは眼鏡を上げた。
「す、凄い……。あ、あの一瞬で魔法壁を張ったのですか?」
学園長のモーゼリアは自分のことのように自慢げである。
「ふふふ。これがデインさんの力なのです」
「で、でも、私たちは全員で8人もいるんですよ? その全員を無傷で??」
弟子のカマキリ人マンティスは片膝を地面に着けた。
「ぬぅ。流石は師匠だ。一瞬で、アークアーツ象火を使って通常の5倍の効果がある魔法壁を張ったんだ。俺は全く動けなかった……」
ふむ。
全員助かって何よりだ。
それにしても、
「ゴホゴホ。凄い花粉だな」
みんなは助かったものの花粉でドロドロだ。
マイカは口をへの字にした。
「はぁ〜〜。ドロドロねぇ。早くシャワーを浴びたいわよ」
うむ。
「そういえば、学園横の温泉。仮設だが、入浴くらいはできるみたいだな」
「あは! ミィたん入りたい!」
「よし。みんなで風呂に入るか!」
と、いうことで、俺たちは風呂に入ることになった。
1枚の薄い壁越しに男女が分かれる。
俺はマンティスと風呂に入っていた。
「師匠。お背中流します」
「あ、いや……。ありがとう大丈夫だ」
コイツの手は鎌なんだよな。
背中が流血しそうで怖い。
女湯からは女子たちの声がきゃっきゃっと聞こえてくる。
「わは! 園長てんてー、おっぱい大きい!」
「んもう。ミィさん、あんまり見ないでください」
「わぁ〜〜。ルゥナたんもおっぱい大きいねぇ♡」
「……自慢できるものではありませんが。あ……。さ、触らないでください」
「えへへ。柔らかぁい♡」
やれやれ。
無邪気なミィの言葉に想像力が膨らむよな。
俺とマンティスが風呂から上がり、フルーツ牛乳を飲んでいる時だった。
ドラゴンが妙なことを言い出す。
『マスター、邪悪な力を感じる』
やれやれ。
「敵か? 俺は| 魔源力《マナ》を感じないが?」
『かなり小さい| 魔源力《マナ》だ。今、女湯の方から感じた』
「どんなタイプの敵なんだ?」
『おそらく爆裂虫。あの花粉に混じっていたのだ。小さい虫のモンスターだが危険だ』
「誰かの体に付着したのか?」
『そうだ。しかし、誰かはわからん』
「でも、俺たちは風呂に入ったぜ?」
『おそらく衣服の中に忍び込んだと思われる』
「衣服の中ぁ?」
『下着に付着したのだろう』
し、下着に付着だとぉ?
『爆裂虫は擬態する虫なのだ。下着の模様に擬態している可能性がある』
「うーーむ。それって倒さないとどうなるんだ?」
『爆発して死ぬことになる』
やれやれ。
面倒なことになったな。
女風呂では子供たちが騒いで遊んでいた。
彼女らはまだ風呂か。
仕方ない。
忍び込んで下着を確認しようか。
えーーと、女児4人とモーゼリアとルゥナだから……。
6人分の下着を確認する必要があるのか……。
模様に擬態するみたいだからな。
隅々まで観察しなければならない。
ああ、なんだか変質者みたいだから、絶対にやりたくないんだけどなぁ……。